明日25日土曜日は、前週、前々週ほどではないが、多くの公私立高校で説明会が開催される。
 個人調べだが、公立24校、私立18校(個別相談のみを含む)、計42校が説明会等を予定している。
 第2回進路希望調査が12月15日現在という形で行われるので、それに影響を与える最後の機会と言えるだろう。

 これまで繰り返し言ってきたが、この時期に訪れる受験生・保護者は「決める」ために来ているのである。
 「比べる」材料を得るために来ている人もいるだろうが、「決める」ために来ている人が多いと想定したほうがいい。

 「決める」ために来ている人に、どう対したらいいか。
 決心したがっているのだから、その決心を後押ししてあげることだ。

 学校の中身をいくら丁寧に説明しても、それでは後押しにならない。
 ここに入ってうまくやって行けるだろうか。
 ここに決めて受かるだろうか。
 受験生それぞれがいろいろな思いで席に着いているだろう。
 だが、多くは決断した後に訪れるであろう事態に不安を抱いているのだ。

 だとすれば、それを取り除いてあげよう。
 少なくとも緩和してあげよう。

 大学進学実績を誇るのもいい。
 だが、3年先のことだ。
 今から3年先の心配をしている中学生がそれほど多いとは思えない。
 それよりも目先の入学試験や入学後のことだ。

 学校になじめるだろうか。
 友達とうまくやっていけるだろうか。
 先生や先輩は怖くないか。
 勉強についていけるだろうか。

 こうした不安を完全に取り除いてあげるのは不可能に近いが、緩和してあげることは出来そうだ。

 不安でいっぱいな受験生に対して、少しでも安心の材料を提供してあげられるかどうか。
 これが、これからの説明会あるいは個別相談の肝と言っていい。

 在校生による説明が意外に効果的なのはなぜか。
 説明はどう考えても先生の方が上手い。
 なのに、下手くそな高校生の言葉の方が心に響く。
 年齢の近さから来る共感性の高さが一つの理由と考えられるが、無意識のうちに安心を与えていると考えられないか。

 在校生に説明させたほうがいいというのではない。
 決心を邪魔しているのが不安だとすれば、少しでも安心を与えてあげれば良いではないかという話だ。

 受験生・保護者にとって、また高校にとって、良い一日であることを祈っている。