札幌市教育委員会は、教職員の私物スマホを教室などに持ち込むことを禁止する方針を決めた。
 相次いで報じられる教員による盗撮事件への対策である。

 教職員スマホ持ち込み禁止 道外の盗撮事件受け 教室や体育館などで対策強化 札幌市教育委員会(8月28日 STV札幌テレビ)

 盗撮防止への効果はほとんどないと思われるが、全国に広まるだろう。
 これによって守られるのは児童生徒ではなく教育委員会である。
 何の対策もとっていないではないかという批判はとりあえず回避できそうなので、禁止令だけは出しておこう。そうすれば、私物スマホによる盗撮案件については責任逃れができる。
 というわけで、連鎖的にあちこちの教育委員会で同趣旨の禁止令が出される。

 だが、盗撮犯にとってスマホのカメラは数ある道具のうちの一つに過ぎない。
 じゃあ、超小型カメラやスパイカメラにするか、となるだけだ。
 つい最近の栃木県立高校の事件でも容疑者は、自作と見られる20台以上のカメラを使用していた。
 プロの犯罪者がトイレや更衣室に私物スマホを仕掛けるわけないだろう。

 こうした禁止令が出されると不便だなと感じる先生方も多いと思うが、それは盗撮がしにくくなるからではなく、仕事がしにくくなるからだ。
 不便さを解消するには全員に業務用スマホを配布すればいい。
 スマホがなくても仕事や生活に何の支障もないだろうという人もいるかもしれないが、今は平成でも昭和でもない。スマホは生活や仕事に欠かせないインフラだ。

 学校のいたるところに防犯カメラの設置を義務付ければ抑止効果が期待できる。
 警備会社と契約して朝から晩まで校内のいたるところを巡回してもらうのもいい。
 学校がセコムしているのは夜間だけだが昼間もセコムする。

 ただで防犯対策しようというのはあまりにも虫のいい話であるから予算化しよう。