本日(11月4日)は、県立春日部女子高校の塾対象学校説明会に行ってきた。
同校の塾対象説明会は今年度2回目である。
この時期の塾説明会は、いささか季節外れの感もあるが、もともと年間計画に組み込まれていたものであり、先日発表された第1回進路希望調査の結果を受けて急遽設定されたものではない。
ただ、結果的には絶妙のタイミングになったとも言える。
というのも、今回の調査では同校にとって、なかなか厳しい数字が出ているからだ。
◆過去10年間で最低の倍率に
普通科は募集人員238人に対し希望者189人、倍率0.79倍だった。
春日部女子は、もともと第1回調査では低めの倍率が出る学校であり、過去10年間で6回の定員割れを経験している。
したがって、今回も定員割れしたこと自体に、それほどの驚きはない。
ただ、過去10年間の最低だった0.85倍をさらに下回ってしまった。
募集人員に対し49人不足している。なかなか厳しい数字である。
外国語科も40人募集に対し希望者24人、倍率0.60倍だから、こちらも苦戦している。
もっとも、春日部女子は第1回調査で定員割れしていても、最終的には何とか定員を満たすことが多い学校である。
今回もそうなる可能性は十分にある。
しかし、募集マーケティングの観点から言えば、実はここが厄介なのである。
◆「最後は何とかなる」の落とし穴
言葉は悪いが、最後は何とかなってしまう学校ほど、抜本的な改革が難しい。
毎年のように厳しい数字が出ても、最終的には定員を満たす。
すると、「今年も何とかなった」「来年もきっと大丈夫だろう」となる。
これでは大胆な改革に向けた校内合意を形成するのは難しい。
もちろん、最終的に定員を満たすこと自体は悪いことではない。
ただ、最初から強く希望してくれる生徒が多いのか、それとも他校からの志望変更によって最後に定員が満たされるのかでは、募集力という点で大きな違いがある。
結果としての倍率が同じでも、その中身は違うのである。
とは言え、ここで春日部女子高校の名誉のために、ぜひとも申し上げておきたいことがある。
同校は決して募集活動に手を抜いているわけではない。
むしろ、その逆である。
◆募集広報は他校のお手本になるほど積極的
同校は今年3月、中学1・2年生を対象とする説明会を開催した。4月早々にはオープンスクールも実施している。
その後も説明会、部活動体験、授業公開などを積極的に行っている。
塾対象説明会も今回が2回目だ。
ホームページも頻繁に更新されている。
特に感心するのは、日常の授業の様子を動画付きで発信していることだ。
授業こそ学校の本業であり、これを継続的に発信することの重要性は、このブログでも繰り返し述べてきた。
Instagramも当然のように活用している。
つまり、これ以上何をやればいいのだというほど、広報・募集活動には力を入れているのである。
他校が参考にすべき取り組みも多い。
が、だからこそ、問題は深刻なのだ。
もし広報活動が不十分なのであれば、説明会を増やそう、ホームページを充実させよう、SNSを始めようといった改善策が考えられる。
しかし、すでに相当な努力をしている学校に対して、さらに頑張れと言っても仕方がない。
では、なぜ希望者が集まらないのか。
◆学校の問題か、それとも街の問題か
一つには、女子校に対する逆風があるだろう。
県立高校の共学化問題が議論されていることもあり、女子校を取り巻く環境が以前とは変わってきている。
ただ、それだけが原因とは考えにくい。
むしろ、春日部という街そのものが抱えている問題が、高校募集という形で現れているのではないか。
これが現時点での私の見方である。
春日部市は人口減少、高齢化が進む都市である。
かつては埼玉県東部の中心都市として、周辺地域から多くの人を集めていた。
しかし、人口動態や都市機能の変化によって、かつてのような吸引力を維持することが難しくなっているのではないか。
高校募集にも、その影響が出ている可能性がある。
実際、今回の第1回調査では、男子校の春日部高校も募集人員を40人減らしたにもかかわらず、希望者数は前年より61人減少し、倍率も低下した。
共学校の春日部東高校も、普通科の希望者数は前年と同じ298人にとどまった。募集人員削減によって倍率こそ上昇したが、希望者が増えたわけではない。
つまり、女子校だけの問題とは言い切れないのである。
むろん、春日部市内の高校には周辺市町や県外から通学する生徒もいる。春日部市の人口減少だけで説明できるほど単純な問題ではない。
しかし、複数の学校に共通する現象であれば、個々の学校の問題だけでなく、地域全体の構造的な問題にも目を向ける必要がある。
◆高校の盛衰と都市の盛衰
説明会終了後、知り合いの塾の先生方と昼食をとった。
そこで話題になったのが、大宮高校である。
今や埼玉県を代表する進学校の一つだが、昔からそうだったわけではない。
では、なぜ大宮高校は現在の地位を築くことができたのか。
学校自身の努力や改革があったことは言うまでもない。
しかし、私はもう一つ、大宮という街そのものの発展が大きく関係していると考えている。
かつて県庁所在地として圧倒的な存在感を誇った旧浦和市に対し、旧大宮市は合併によって誕生したさいたま市の一翼を担い、都市としての地位やブランド価値を大きく高めた。
大宮という街の発展が、大宮高校を押し上げた側面があるのではないか。
春日部や熊谷では、その逆の現象が起きているのかもしれない。
だとすれば、これは学校説明会を何回開催するか、SNSをどう運用するかといった話だけでは解決できない。
高校の盛衰は、都市の盛衰と無関係ではない。
今日の春日部女子高校の説明会をきっかけに、そんなことを考えた。
かなり大きなテーマになりそうなので、続きはまた別の機会にしようと思う。

2026-11-05 at 07:59
私は、1950年、深谷市うまれで、熊谷高校卒業です。いまでは、かつての圧倒的な存在感も影を潜め、寂しさを感じています。同じ同窓で、熊高の校長になった友人がよく、こぼしていました。校長なんとかならないのか?とOBからの突き上げにはまいったと。かつては県北の中学校のトップは熊谷があたりまえであったのが、来るのは3,4番手これでは無理だと。熊谷、深谷、秩父などの熊高卒業の中学校教師に優秀な生徒を熊高にと働きかけが、出来なかったと。様々な要因があると思いますが、熊高を愛する者としては寂しい限りです。文武両道、質実剛健、復活をのぞみます。
2026-11-05 at 08:16
高校の盛衰は、都市の盛衰と無関係ではない
とても興味深い内容でした。確かにそうかもしれないなあ、思いました。
母、姉、私と春日部女子高校の卒業生ですが、娘は嫌だといい、他校へ入学しました。
今の時代、私は次の理由が挙げらるかなと考えました。➀共学校が人気があること。②私立無償化で、 公立進学が薄れていること。③入学時の学力に対し、大学進学かいまいち良くないこと④親が勧めたがらないこと。
子供も親もより高い偏差値の学校へは挑戦で行きたがります。しかし、中堅校ならば、私立の方が現役大学合格できるような気がして、躊躇するのではないか・・と。
定員割れ、確かに熱望者が減っているのは残念ですが裏を返せば2次募集になれば、優秀な人材が集まってきます。その人たちが、悔しさで大学合格の実績を作ってくれるのです。それを証明するのは越谷北高校。
埼玉県公立高校の御三家の二番手の位置にはいった、さすがとしか言いようがないです。
春女=いも女
昔から言わていました。イメージが悪いんですよね。
春日部女子高校は憧れ校ではないはず。定員割れは仕方がありません。