今日は埼玉県立常盤高校の塾対象学校説明会に参加してきた。
常盤高校は、県内唯一の看護科単科校である。高校3年間と専攻科2年間を合わせた5年一貫教育により、看護師を養成している。
まずは今回の説明会実現に尽力してくれた山本直登先生に感謝したい。
また、忙しい塾経営の合間を縫って参加してくれた塾長先生方にも御礼を申し上げたい。
そして、申し出を快く受け入れ、説明会を開催してくださった常盤高校の校長先生をはじめ、教職員の皆さんにも感謝である。
今回の説明会は、一般的な塾説明会とは、開催に至る経緯が少々異なる。
学校が主催しているのは間違いないのだが、塾側からの希望もかなり入っている。
通常、塾対象説明会は、学校側が日時を設定し、郵便やメール、ホームページなどを通じて塾の先生方に参加を呼び掛ける。
ところが今回は、塾の先生の方から「専門高校について勉強したい」と学校にお願いし、学校側がそれに応じてくださり、説明会が実現した。
参加者を募るのも塾側の役割だ。
実は昨年も、これと似たような形で杉戸農業高校に説明会を開催していただいた。
そのときは、私が校長先生にお願いし、その後の段取りを根岸孝之先生に任せた。
今回は山本先生が勝手に、いや、自主的に常盤高校・井上一也校長と交渉し、開催を実現させた。
私は、指定された日時に学校へ出向くだけ。
◆知らない学校について、どう説明するか
今回、学校側は「教育関係者対象の学校説明会」としている。
それでもいいが、「専門高校について知りたい、勉強したい」という塾の先生方の向学心が出発点となっているから、勉強会とか研修会でもいいような気もするが、まあ名称にはそれほどこだわらない。
今日のような研修会を、まず専門高校や専門学科から広げていきたいと考えている。
普通科高校であれば、塾の先生方もある程度は教育内容を想像できる。
大半の先生が普通科出身だろうし、日常的に普通科高校への進学指導を行っているからだ。
しかし、農業、工業、商業、看護などの専門高校・専門学科となると、そうはいかない。
どのような授業が行われ、どのような実習があり、どんな施設・設備を使っているのか。卒業後にはどのような進路が開かれているのか。
知っているようで、実はよく知らない。
もちろん、学校案内やホームページを見れば、ある程度の情報は得られる。しかし、それだけで教育の中身まで理解できるわけではない。
だからこそ、実際に学校を訪ね、先生方の話を聞き、施設や授業を見せてもらうことに意味がある。
塾の先生は、塾生や保護者から進路について相談されれば、何らかの助言をしなければならない。
その際、知らないからといって、選択肢から専門高校を外してしまうようなことがあってはならない。
知らないこと自体は恥ではない。知らないままで済ませず、勉強すればいいのである。
◆中小塾だからこそ、集まる意味がある
ネームバリューがあり、多数の塾生を抱える大手塾なら、単独で学校を訪問しても説明や見学に対応してもらえるかもしれない。
しかし、個人経営の中小塾となると、なかなかそうはいかない。
お願いすれば対応してくださる学校も多いだろうが、こちらもそこまで図々しくはなれない。
そこで、複数の塾が集まる。
一つひとつは小さな塾でも、人数がまとまれば学校側も説明会を開催しやすくなる。
これまでも中小塾や個人塾が高校の先生を自塾に招き、生徒・保護者向けの説明会を開催する例はあった。また、バスを仕立てて高校見学ツアーを行う例もあった。
だから、塾が主体となって高校との接点を作ること自体は、別に新しい発想ではない。
ただ、今回のように、塾の先生自身が勉強するために集まるという点に特徴がある。
塾長同士は、場合によっては競争相手でもある。しかし、学校研究という共通の目的では協力できる。
何も大げさな組織を作る必要はない。志を同じくする先生方が、必要に応じて集まればいいのである。
◆学校側にも大きなメリット
この方式は、塾側だけでなく学校側にもメリットがあると考えられる。
第一に、参加者を集めるための負担が軽減されることだ。学校は説明や見学の準備に集中できる。
第二に、参加者の目的意識が明確であることだ。
自ら勉強したいと思って参加する先生方だから、話を聞く姿勢も違うだろう。質問も具体的になるはずだ。
第三に、学校の情報が塾を通じて生徒・保護者に伝わることだ。
専門高校の場合、学校の魅力を理解してもらう以前に、その教育内容や仕組み自体を知ってもらう必要がある。
塾の先生が正しく理解すれば、その先にいる塾生や保護者にも、より正確で幅広い進路情報が届く。
学校側にとっては、今すぐ志願者が増えるという直接的な効果はなくても、将来の志願者につながる種まきとなる。
私は以前から、学校広報は目先の人数集めだけでなく、学校への理解者を増やす活動であるべきだと考えている。
今回のような取り組みは、その一つの方法になり得るだろう。
◆学んだら、今度は伝える
さて、今回の説明会に参加したクマガイ塾の塾長先生が、早くも詳細なレポートを公開している。
これが実に早い。しかも、なかなかの力作である。
浦和から加須まで戻って、塾生たちがやって来る夕方までの2、3時間のうちに書き上げたとは思えない中身と分量。
学校の教育内容、5年一貫教育の仕組み、費用、実習、国家試験、就職、さらには入試情報まで、幅広くまとめられている。
私があれこれ説明するより、こちらを読んでいただいた方が常盤高校への理解が深まるだろう。
埼玉県立常盤高校 「最短・格安・合格率100%!?」知られざる看護科高校の世界(クマガイ塾ブログより)
説明会に参加して終わりではない。学んだことを整理し、今度は自分が情報の発信者になる。
この姿勢は素晴らしい。
学校から塾へ、そして塾から生徒・保護者へ。
今回の説明会では、情報が流れる一つの道筋が早くも具体的な形になった。
塾の先生は、生徒に勉強を教える人である。しかし、教える人自身も学び続けなければならない。
その勉強の対象は、教科の内容や入試問題だけではない。生徒たちが進学する高校そのものについても、もっと勉強していい。
今回の常盤高校、昨年の杉戸農業高校に続き、こうした塾発の研修会がさらに広がることを期待したい。
学校側にも、塾の先生方からこのような申し出があった際には、ぜひ前向きに検討していただきたいと思う。

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