「埼玉県学校公式インスタクラブ(SOIC)」(そんなもんあったか?)の優良会員である岩槻高校からのニュース。
こちら学校ホームページ「今日の岩高」に投稿された記事だが、これだけでは何のことかサッパリ分からん。
中身は、川口高校の先生方が視察に訪れ、広報活動(SNS関係)の在り方などについて情報交換したというもの。
さては川口支店の支店長から「どうやら岩槻支店のインスタがものすごい売り上げになっているようだから、いっぺん行って見てこい」とでも言われたか。川口支店の支店長は前任の春日部支店時代から「支店長は広報の先頭に立つべきだ」と、広報活動の意味をよく分かっている人だから、ありうるな。
で、冗談はここまでとして、川口高校が視察先として岩槻高校を選んだのは、目のつけどころとして非常によろしい。
ご存じのとおり岩槻高校は公立ではインスタフォロワー数トップを独走中である。どうせ見に行くなら上から行こう。
◆失敗重ねてトップへ
岩槻高校はおそらく一番たくさん失敗している学校である。一番最初に始めて一番たくさん失敗しているから今がある。
だから、川口高校が学ぶべきは、うまく行く方法ではなく、とりあえずいろんなことを試してみるチャレンジ精神と、失敗にめげず何度も立ち上がる不屈の精神である。
これから他校を視察しようと思っている皆さんに言っておこう。
うまく行っている学校に行って、うまく行く方法を聞いてこようなどと考えてはいけない。
むしろ山ほどある失敗の歴史こそがお宝なのだ。
なぜ失敗したのか。
その失敗をどう乗り越えたのか。
学ぶべきはそこだ。
岩槻高校のことだから、そのあたり包み隠さず話されただろう。そこがまたこの学校がフォロワー数を伸ばしている所以である。
◆その先は前人未到
私立でもっとも多くの失敗事例を持っているのは当然ながらフォロワー数県内トップの花咲徳栄高校である。
時々話を聞かせてもらうが、ほとんどがうまく行かなかった経験ばかり。
だが、考えてみれば当たり前で、フォロワー数1万2千を超えてこの先どう伸ばして行くかなど日本中探したってほとんど事例がないのである。だから失敗に失敗を重ね新境地を自ら切り開くしかないのである。
トップに立った瞬間、目の前に道がなくなる。なかなか辛いものだ。
現在、2年生がハワイ修学旅行中で現地から「花咲チャンネルニュース」を発信している。下の動画に登場する生徒は英検1級合格者。ただ楽し気な旅行風景を流し撮りするのではなく、さりげなく学業面でのレベルの高さをもアピールしようとしているあたりがうまい作りだと思う。
◆インスタからリアルイベントへ
話を川口高校に戻すと、視察先に岩槻高校を選んだのは、いわゆる学力レベル的にもちょうどいい。
むろん川口高校の方が上を行くが、そんなに遠く離れているわけではない。
インスタフォロワー数に関しては、春日部高校、不動岡高校、川口北高校、伊奈学園高校なども上位なのだが、いろいろな意味で川口高校とはタイプが違い過ぎる。
レベルやタイプとして川口高校とそれほど離れていないという点で、次の視察先としてお薦めなのが杉戸高校だ。
インスタフォロワー数こそ1500とさほどではないが、ここはSNSとホームページをうまく連動させ、さらには学校説明会等リアルイベントにつなげることに成功している。学校説明会は毎回満席だ。おそらく来る第1回進路希望調査でも全県普通科平均を大きく上回る倍率をたたき出すだろう。
定員割れの心配がまったくない川口高校が、定員割れの心配からようやく脱しようとしている杉戸高校に学ぶことがあるのかと思われるかもしれないが、ブランドイメージを変えることに重きを置いた杉戸高校の手法には学ぶべき点も多いだろう。
【3学年】第4回勉強マラソン(川口高校HP 8月)
たしか杉戸高校にも考査前の勉強マラソンというのがあった。
◆川口にもう一つ欲しい公立進学校
埼玉県第二の都市、60万都市の川口市には私立高校がない。
これだけの規模の街に私立高校がないのは非常にめずらしいことだ。
あまりにも東京に近すぎるという地理的要因もあるが、この規模であれば公立進学校が4~5校あってもおかしくない。
昭和16年創立の伝統校・川口高校には、頼れる進学校の地位を目指してもらいたい。
なお、ちょっとしたうんちくを述べれば、同校は創立時(戦前)、川口市立川口中学校(旧制)であり、戦後の学制改革で川口市立川口高校となり、その後県立に移管され川口高校となった。1997年(平成9年)から男女共学となるがそれまでは男子校だった。
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