2025(令和7年度)埼玉県高校入試、第2回進路希望状況調査に関する続報である。
  
 なお、普通科を中心とした昨日のブログ記事はこちら。
第2回進路希望調査結果【速報】2025埼玉県高校入試

 では、本日は専門学科、総合学科の動向である。

◆専門学科・総合学科とも倍率下がる
 全日制専門学科全体の倍率は0.90倍で前年同期の0.96倍でを下回った。
 総合学科の全体倍率は0.86倍で前年同期の0.99倍を下回った。

【主な専門学科の倍率(カッコ内左は前年同期、右は前々年同期)】
 農業  0.82(0.97 0.91)
 工業  0.86(0.82 0.84)
 商業  0.81(0.96 0.76)
 家庭  1.03(1.05 1.13)
 外国語 1.12(1.16 0.98)
 理数  1.50(1.46 1.65)

 では、学科系統別に見て行こう。

◆理数に関する学科
 カッコ内数字は左が前年同期、右が前前年同期(以下、同じ)

 理数に関する学科は7校7学科あるが、すべての学校・学科が1.00倍を超えている。
 全体倍率は1.50倍で前年同期の1.46倍を上回っている。

01 大宮北・理数   2.05(1.58 1.65)
02 所沢北・理数   1.88(1.33 1.60)
03 大宮・理数    1.65(1.88 1.98)
04 越谷北・理数   1.55(1.28 1.50)
05 松山・理数    1.25(1.18 1.25)
06 川口市立・理数  1.10(1.70 2.10)
07 熊谷西・理数   1.03(1.33 1.45)

 不動のトップだった大宮に代わり大宮北が1位、所沢北が2位となった。   
 大宮北は平成29年度(2017年度)第2回で2.05倍を記録しているが、それ以来の2倍超え。
 大宮の1.65倍は第2回調査時点としては令和2年度(2020年度)の1.38倍に次ぐ低倍率である。
  
◆外国語に関する学科
 外国語に関する学科は7校7学科ある。学科全体の倍率は1.12倍で前年同期の1.16倍をやや下回っている。

01 和光国際・外国語 1.38(1.63 1.20)
02 越谷南・外国語  1.30(0.98 0.98) 
03 南稜・外国語   1.20(1.28 0.95)
04 蕨・外国語    1.15(1.18 1.05)

 1.00倍を超えたのは上記4校である。
 草加南(0.95)、春日部女子(0.83)、坂戸(0.75)は1倍を割っている。
 定員は和光国際のみが2クラス80人で、他の6校は1クラス40人である。例年、定員が多い和光国際が全体倍率を引き上げているが、今回は和光国際の倍率が伸びていないこともあり、全体倍率が下がっている。

◆農業に関する学科
 農業に関する学科は6校18学科あり、学科全体の倍率は0.82倍で、前年同期の0.97倍を下回っている。

01 鳩ヶ谷・園芸デザイン1.50(1.03 1.28)
02 杉戸農業・食品流通 1.28(1.70 0.88)
03 熊谷農業・食品科学 1.25(1.15 1.40)
04 杉戸農業・生物生産技術1.15(1.53 1.35)
05 秩父農工科学・農業 1.13(1.43 1.30)
06 熊谷農業・生活技術 1.10(1.20 1.03)
07 杉戸農業・園芸   1.08(1.15 0.90)
08 杉戸農業・生活技術 1.08(1.05 0.80)

 4校8学科で1.00倍を超えている。
 杉戸農業は6学科中4学科で、熊谷農業は4学科中2学科で、1倍を超えている。 
 農業系学科希望者は男子が308人、女子が348人で女子の方がやや多い。
 熊谷農業と杉戸農業にある生活技術は、家政科に近い内容を学ぶこともあり、特に女子人気が高い。鳩ヶ谷・園芸デザインも例年女子人気が高い。
 
◆工業に関する学科
 工業に関する学科は13校45学科あり、学科全体の倍率は0.86倍で、前年同期の0.82倍を僅かに上回っている。

01 川越工業・デザイン 1.60(1.35 1.45)
02 川越工業・電気   1.55(1.48 1.00)
03 新座総合技術・デザイン1.50(1.48 1.78)
04 熊谷工業・情報技術 1.45(0.85 1.60)
05 川越工業・建築   1.38(1.00 1.35)
06 越谷総合技術・情報技術1.28(1.20 1.65)
07 熊谷工業・土木   1.25(0.73 0.93)
08 春日部工業・機械  1.24(0.97 0.99)
09 川越工業・機械   1.22(0.75 1.18)
10 川口工業・機械   1.20(1.31 0.98)
11 越谷総合技術・電子機械1.18(0.74 0.74) 
12 進修館・ものづくり 1.13(1.20 0.60)
13 久喜工業・情報技術 1.10(1.03 1.53)

 8校13学科で1.00倍を超えている。
 歴史の古い川越工業は、5学科中、化学科を除く4学科で1.00倍を超えている。
 学校名に「工業」を冠する学校は大宮工業など8校ある(三郷工業技術を含む)。これら8校にすべてあるのが機械科と電気科であるが、1.00倍を超えているのは電気科で川越工業、機械科で春日部工業、川越工業、川口工業の計4学科である。
 建築科は東西南北各地区に1校ずつある。春日部工業、川越工業、大宮工業、熊谷工業であるが、このうち川越工業は1.38倍と高倍率である。春日部工業、大宮工業も2クラス80人定員で共に0.94倍であり一定の人気を保っている。
 川越工業と新座総合技術のデザイン科は女子に人気の学科だ。川越工業の場合、希望者64人中、女子が56人(87.5%)、新座総合技術の場合、希望者60人中、女子が49人(81.7%)となっている。

◆商業に関する学科
 商業に関する学科は15校27学科あり、学科全体の倍率は0.81倍で、前年同期の0.96倍を下回っている。

01 市立川越・国際経済 1.54(1.61 0.76)
02 上尾・商業     1.25(1.38 1.08)
03 市立川越・情報処理 1.24(1.70 0.99)
04 狭山経済・情報処理 1.14(1.10 1.01)
05 深谷商業・商業   1.12(1.41 0.95)  
06 狭山経済・会計   1.03(0.70 0.75)
07 新座総合技術・総合ビジネス1.00(1.15 1.03)
 
 5校7学科で1.00倍を超えている。
 商業科全体では男子の希望者が856人、女子の希望者が990人で女子優勢となっている。工業高校では情報技術科が人気だが、商業高校では情報処理科が人気となっている。情報処理科は10校にあるが、このうち5校では男子の希望者が女子を上回っている。

◆家庭に関する学科
 家庭に関する学科は4校8学科ある。学科全体の倍率は1.03倍で前年同期の1.05倍をやや下回っている。

01 越谷総合技術・食物調理1.68(1.48 1.08) 
02 新座総合技術・食物調理1.30(1.53 1.48)
03 秩父農工科学・フードデザイン1.10(0.90 1.13)
04 越谷総合技術・服飾デザイン1.08(0.90 0.95)
05 鴻巣女子・家政科学  1.05(0.75 1.10)

 4校5学科で1.00倍を超えている。
 希望者の79.3%を女子が占めている。

◆その他の専門学科をまとめて
 ここからは、1校ないし2~3校にしかない専門学科についてまとめておく。

看護に関する学科は常盤のみ。倍率は1.30倍で、前年同期の1.16倍を上回っている。

美術に関する学科は3校3学科ある。学科全体の倍率は1.17倍で前年同期の1.39倍を下回っている。大宮光陵と芸術総合は1.5倍を超えているが、越生は0.45倍と低くなっている。

音楽に関する学科は3校3学科ある。学科全体の倍率は0.58倍で、前年同期の0.71倍を下回っている。同じ芸術系でも、美術が比較的堅調なのに対し、音楽の落ち込みが激しい。

書道に関する学科は大宮光陵のみ。倍率は0.83倍で、前年同期の0.90倍を下回っている。

体育に関する学科は2校2学科ある。学科全体の倍率は1.30倍で、前年同期の1.11倍を上回っている。大宮東・体育は1.66倍と高いが、ふじみ野・スポーツサイエンスは0.94倍で僅かに1.00倍に届いていない。

福祉に関する学科は誠和福祉のみ。倍率は0.20倍で、前年同期の0.34倍を下回っている。

人文に関する学科は春日部東のみ。倍率は0.50倍で、前年同期の1.10倍を大きく上回っている。

国際文化に関する学科は岩槻のみ。倍率は0.68倍で、前年同期の1.20倍を大きく下回っている。

映像芸術に関する学科は芸術総合>のみ。倍率は0.90倍で、前年同期の1.45倍を大きく下回っている。

舞台芸術に関する学科は芸術総合のみ。倍率は0.83倍で、前年同期の0.85倍をやや下回っている。

生物・環境に関する系は、「いずみ」のみ。倍率は、生物系が1.30倍、環境系が1.20倍で、共に前年同期とほぼ変わらない。入試では「系」という大きなくくりで募集し、入学後に生物生産科、環境サイエンス科など6つの専門学科に分かれる。

◆総合学科
 総合学科は9校9学科あり、学科全体の倍率は0.86倍で前年同期の0.99倍を下回っている。

01 川越総合・総合 1.54(1.68 1.16)
02 滑川総合・総合 1.01(1.05 1.03)

 1.00倍を超えているのは上記2校のみだ。
 久喜北陽は320人定員(318人募集)で、総合学科では最大規模である。倍率は0.88倍。

 以上、本日は専門学科、総合学科の動向であった。