高校は期末考査シーズンを迎え、今週末に説明会等を行う学校は少ない。
(ちょっとゆっくりできる)
受験生の学校選びも佳境を迎えているが、今日は、第1回調査から第2回調査にかけての全体的な変化について、データをもとに話そうと思う。
第1回調査は10月1日現在の集計、第2回調査は12月15日現在の集計。
約1か月半の時間差がある。
たかが45日。
しかし、この間に中学校では定期考査や三者面談が行われる。
模試もある。
そして何より、各校の説明会、相談会などが盛んに行われる。
よって、この45日間は受験生の志願先がもっとも大きく変化する時期である。
◆どんな変化が起きるか
変化のパターンは毎年ほぼ決まっている。
(1)公立・上位校から中堅・下位校への変更
(2)公立・高倍率校から低倍率校への変更
(3)公立から私立への変更
大きくはこの三つであるが、(1)と(2)はもう少し先送りしても大丈夫だ。
公立の場合、最後の最後、志願先変更という手がある。
しかし、第一希望を公立から私立に変更する場合は、試験や出願日程の関係から、早めにする必要がある。(昨日から出願を受け付けている私立も多い)
したがって、この45日間に、公立第一希望から私立第一希望への変更や、どちらか決めかねていた受験生の私立第一希望確定といったことが起きていると考えられる。
◆第2回調査でも過去最低を更新か
第1回調査から第2回調査にかけての変化を昨年度入試(令和7年度入試)の場合で見てみよう。
【第1回調査】
県内公立希望 41.284人(66.0%)
県内私立希望 10.082人(16.1%)
県外希望 3.734人( 6.0%)
【第2回調査】
県内公立希望 39.558人(63.2%)
県内私立希望 11.186人(17.9%)
県外希望 4.204人( 6.7%)
第1回調査から第2回調査にかけての増減は次のとおり。
県内公立希望 1726人減(2.8ポイント減)
県内私立希望 1104人増(1.8ポイント増)
県外希望 470人増(0.7ポイント増)
公立から私立への志望変更が数字の上ではっきりと確かめられる。
こうした現象は毎年のことである。
参考のため、令和6年度入試と、5年度入試の数字もあげておこう。
▼令和6年度
県内公立希望 1931人減(2.5ポイント減)
県内私立希望 973人増(1.5ポイント増)
県外希望 579人増(0.9ポイント増)
▼令和5年度
県内公立希望 1948人減(3.1ポイント減)
県内私立希望 1331人増(2.1ポイント増)
県外希望 654人増(1.1ポイント増)
直近3年間の平均では、第1回から第2回にかけて、県内公立希望者の割合は2.8ポイント低下する一方、県内私立希望者の割合は1.8ポイント、県外希望者の割合は0.9ポイント上昇する。
先般発表された令和8年度入試にかかる第1回調査では、県内公立希望者が39.267人(63.1%)、県内私立希望者が11.499人(18.5%)、県外希望者が4.191人(6.7%)だった。
直近3年間の数字をそのまま当てはめると、第2回調査では県内公立希望者の割合は60.3%、県内私立希望者の割合は20.3%、県外希望者の割合は7.6%という試算となる。
県内公立希望者は、第1回から第2回にかけて、人数にして、あと1700人から1800人近く減るという予想だ。
細かい数字は省くが、10年前の入試(平成28年度入試)では、県内公立希望者は第1回で76.1%、第2回で72.4%もいた。公立がまだまだ元気だった時代で、この年、最終倍率(志願先変更後)で定員割れだったのは、川越初雁(0.99)、鴻巣女子・普(0.82)、羽生第一(0.98)、日高・情報(0.93)、松伏・情報ビジネス(0.96)くらいだ(統廃合により消滅した学校や学科再編された学校を除く)。
◆変更が前倒しになっている可能性も
ここまでの試算は、過去の事例に基づいているが、今年は従来と異なる動きを見せる可能性もある。
第1回調査から第2回調査にかけて、県内公立希望者の数や割合が減少するという話をしてきたが、これまでであればこの間に起きるはずの現象が、すでに第1回調査時点で前倒しで起きている可能性だ。
だとすれば、第1回調査から第2回調査にかけての変化は、例年ほどは大きくならないとも言えるが、ただ机上で計算しているだけ私には、正直よく分からない。
学校選びの視点やプロセスが変化しているのではないかと想像するが、実際のところどうなのかは、実際に受験生や保護者と接している塾や学校の先生方の予想の方が正確だろう。

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