彩の国進学フェアの将来を考える。続編。
 まあ、将来なんぞ考える年齢ではないのだが、「自称:生みの親」であるから、できることなら長く続いてもらいたいと思っている。
 
◆「最初の接点」から「確認の場」へ
 キャッチフレーズは相も変わらず「キミの学校選びはここから始まる」だ。
 このフェアが始まった2000年当時であれば、フェアが学校情報との最初の接点で良かっただろう。なにせスマートフォンがなかった時代だ。SNSや動画サイトなんぞ影も形もなかった時代だ。「ホームページ始めました」などと胸を張っていた時代だ。

 だが、時代は変った。
 さまざまな学校情報が居ながらにして得られる時代になった。
 フェアは学校情報との最初の接点ではなくなった。
 ネット情報だけではない。
 年明け1月から3月にかけてすでに説明会を実施した学校は多い。
 4月から6月の間に説明会を実施した学校はさらに多い。

 なのに、「ここから始まる」。
 いや、もうとっくに始まっているのだ。
 もし今後もこの時期に実施するのであれば、「ここに終わる」、すなわち「初めて知る場」から「最後に確かめる場」に変わるべきだろう。
 
◆2日間イベントから「年間マーケティング」へ
 彩の国進学フェアは読売新聞東京本社さいたま支局の主催である。
 実際の運営は読売新聞社の関連会社である「読売アルスA」という会社が担当している。この会社、少し前まで「読売エージェンシー」と称していたが、組織改革とやらで社名が変わった。「アルスA」があるならBやcもあるのかと思いきや、それはなくて、あるのは「アルスR」と「アルスS」というからよく分からん。

 それはそれとして、
 彩の国進学フェアの最大の課題は、夏の2日間に価値が集中しすぎていることである。
 令和型にするなら、2日間だけのイベントではなく、年間型の進路情報プラットフォームに変えて行くべきだろう。
 「読売アルスA」はマーケテイングが売りの会社でありエキスパートも大勢いるのだから、いくらでもアイディアは出るだろう。

◆学校側にも「参加するだけ」からの脱却が必要
 学校側も変わらなければならない。
 大規模フェアでは、人気校には行列ができ、不人気校は閑散とする。これは残酷であるが現実だ。しかし、ただ座って来場者を待っているだけでは、学校広報としては弱い。

 学校側は、フェア前からSNSや学校HPで発信しておかなければならない。
「彩の国進学フェアではこの3点を説明します」
「本校ブースでよく聞かれる質問に答えます」
「中2の方はここを聞いてください」
「個別相談では、まず高校生活の希望を聞かせてください」
 と、いうように、だ。

 ただ、ブースの位置を示して「ぜひ来てください」では、コミュニケーションとしては不完全だ。

 フェア後も、「来場ありがとうございました」で終わらせず、説明会予約、文化祭参加、個別相談、動画視聴へ誘導する。フェアを点ではなく、学校広報の導線に組み込む必要がある。

◆「集客数」から「満足度・行動変容」へ評価軸を変える
 従来型イベントは、どうしても来場者数が成果指標になる。イベント運営が協賛社からの広告等に頼っている以上、やむを得ない面もあるが、令和型ではそれだけでは不十分だ。
 
 来場者が何校回ったか。
 来場後に学校説明会へ申し込んだか。
 志望校選びの不安が減ったか。
 中1・中2が早期に学校研究を始めたか。
 公立・私立・専門・通信制などを比較できたか。
 出展校側が有効な接点を得られたか。

 なかなか数字にしにくい部分であるが、こうした「行動変容」を評価軸に加えなければならない。
 たくさん集まったが疲れただけ、資料を持ち帰ったが読まれない、人気校だけに行列ができた。それでは平成型のままだ。
 彩の国進学フェアは「巨大相談会」から「進路選択プラットフォーム」へ。会場に集めるイベントから、来場前・当日・来場後をつなぐ進路選択プラットフォームへ。
 
 では、明日、明後日、2日間よろしく。