このブログは先生向けなのだが、どうやら他のサイトから受験生も流れ込んでくるようだ。
よし。だったら受験生向けに書いてやろうじゃないか。
ただし、私は思いっ切りジジイだぞ。
菅義偉首相は私より3歳上だ。小池都知事は1歳下だ。
なっ、どんだけ年寄りか分かったろう。
自慢じゃないがコロナに感染したら、もっとも危険な高齢者だ。
若いみんなとは感覚が違い過ぎる。
だから、ジジイの独り言だと思って聞いてくれ。
私はみんなが生まれるずっとずっと前に県立高校の先生だったんだ。
相手は高校生だったから、大学受験指導をやっていた。
で、入試験の前になると、生徒たちが聞いてくるんだ。
「先生、何点取れば合格できますか?」
って、そんなの分かるわけないだろう。
まあ、過去のデータから大体の見当はつくが、その時の問題難易度によって平均点とか合格最低点は上下するわけだ。
やってみなきゃわからんよ。
それに、合格に必要な点数が分かったとして、その点数取れるの?
それも分かんないよな。
高校入試のときだって、採点してても分かんなかったからね。
今年は何となく出来が良さそうだ、あるいは出来が悪そうだ。
そこまでしか分かんない。
採点も選考も全部終わってから、結局ボーダーはここだったんだと初めて分かる。
何点取れれば合格かなんて、考えたって答えが出ないことに時間を使うのはもったいない。
そんな時間があったら、英単語の一つでも覚えたほうがいい。
もう一つ言っておこう。
敵は誰か、ってことだ。
(敵というのはあまり良くない言葉だけど、このまま行くよ)
今仮に定員360人の学校に540人の志願者がいたとする。
倍率は1.5倍だ。
で、この時に、敵は自分以外の539人なのか。
違う。
敵が539人というのは、一番で合格しようと思った時だけだ。
志願者は大ざっぱに3つの層(グループ)に分かれる。
一応、「上」「中」「下」としておこう。
それぞれ180人ずつとする。
「上」の180人は、模試の判定などでも確実ないし、ほぼ確実の判定が出ている人だ。
この人たちはよほど大きなミスをしなければ合格できる。
油断しないことだ。
「中」の180人は、判定はまあまあ良いが、時々悪かったりもする人だ。
この人たちは、「上」の180人のことは考えなくていい。
「中」の180人の中にとどまっていればいい。
それで合格できる。
その意味で敵は同じグループに属する180人だ。
この中で出来るだけ上位にいればいい。
ただし。
「下」の180人から這い上がってくる人がいる。
「下」の180人を侮ってはいけない。
この人たちは、「偏差値的に厳しいんじゃないか」的なことを言われながら、それでも受けてきた人だと考えられる。
直前1か月で急激に力をつけているかもしれない。
まあ、とは言っても、元々の力の差があるから「下」の180人のうち、「中」を脅かしそうなのは、半分の90人とする。
とすると、「中」に位置する人は、自分のグループ180人プラス「下」から這い上がって来る90人、計270人が敵ということになる。
この中で受かるのは180人。倍率は1.5倍。
なんだ、結局同じじゃないか。
実際の入試では、こんなにきれいに上中下に分かれることはなく、「上」「下」が少なく「中」が多いという構造になる。
つまり、「上」90人、「中」360人、「下」90人みないな感じ。
そして「中」の360人はさらに分かれて「中の上」90人、「中の中」180人、「中の下」90人という感じ。
で、まとめて言うと、敵は自分と同じくらいの力の人、ってことになる。
はるか上の方にいる人は、自分の合否とはほとんど関係ない。はるか下も同様。
入試の戦いというのは、スポーツの試合にたとえればベスト8とかベスト16入りを目指すようなものだね。
優勝するようなチームと当たったらアンラッキーしかないんだけど、そうじゃなければ、同じか、ちょっと上のチームに勝てるかどうかで決まるわけでしょう。
試験当日、自分の席の周りには前後に2人、左右に2人、計4人がいる。
(端っこや最前列、最後列だったら、ってツッコミは無し)
そのうちの一人は自分より上、もう一人は自分より下。
なので、敵とはみなさない。
敵は残りの二人だ。
そして、力は同じくらい。
同じくらいの力の者同士の戦いは、その日調子が良かった人の勝ち。
だから、今晩あたりからは、あまり無理せず、気力、体力を蓄えておいたほうがいいと思う。
それと、試験本番のときは、問題パッと見て「やった!」「できた!」と思った問題ほど注意しよう。
喜んだ瞬間、慎重さを失くすからね。
逆に、「ヤバッ!」と思った問題は粘れば何とかなったりする。
難しそうに見えて、または複雑そうに見えて、意外と簡単というのはあるもんだよ。
あと、はるか昔のことを振り返ってみると、採点しながら「問題よく読めよ」と思った答案が結構多かったような気がするな。
たぶん、このことは中学校や塾の先生方からも言われていると思うが、ホント、その通りだ。
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