あまり大きく取り上げられることはないが、教育関係者にとって重要ニュースと思われるので紹介しておこう。
 埼玉県教育委員会は18日、2022年度の県立学校教員採用選考試験の志願者数を発表した。
 

 上記の表は一部抜粋であるから、志願者数の詳細については埼玉県WEBサイトで見てもらおう。
 
 表を見てお分かりのとおり、小中高すべてで志願者数、倍率共に昨年度より減少している
 【小学校】
  志願者1806人(前年比184人減)
  倍率2.4倍(同0.4ポイント減)
 【中学校】
  志願者1992人(同64人減)
  倍率4.0倍(同0.8ポイント減)
 【高校】
  志願者1578人(同28人減)
  倍率4.8倍(同3.2ポイント減)

 高校の倍率が昨年の8.0倍から4.8倍と大きく下がっているのは、採用見込み数が昨年の200人から330人と大幅に増えたことも影響している。
 
 世の中の景気が良いときは民間企業希望者が増え、景気が悪いときは公務員希望者が増えることは知られているが、今は民間にどっと学生が流れるほどの好況とは思えない。
 やはり教職員採用課の言うように「勤務時間が長いなどの印象があり倦厭(けんえん)されがちな職業になった」(埼玉新聞記事より)からだろう。
 まあ、勤務時間が長いのは「印象」じゃなく、実際に長いんだけどね。
 ただ、昔は管理が緩かった。
 コンプライアンスなんていう言葉もなくて、言ってみれば「テキトー」に調整できた。

 私は高校教員だったわけだが、定期考査期間中なんかは午前中で終わるものだから、部活もないし、勤務時間終了前に帰ったりしていた。
 夏休みも私の場合は部活があって休めなかったが、40日間ほとんど出勤しない教員もいた。
 お休みする場合は一応休暇届を出すか、もしくは研修届を出す。
 で、この研修届というのが実に適当で、「研修場所:自宅」で通った。今なら在宅勤務かな。
 まあ、クソ忙しい時もあったが、クソ暇な時もあって、それなりにバランスが取れていた。

 が、これは、はるか昔の話。
 こんなやり方が今どき通るはずがない。

 時代に合わせて働き方を変えていかなければならないのだが、教育界はそこのところが大きく遅れている。
 だが、早くこれをやっておかないと、教員志望者は減る一方だろう。
 
 マスコミが執拗に学校叩きや教員叩きをやるから、実態より悪く伝わっているという面も否定できない。
 だが、マスコミの矛先は何も教育界だけに向かっているわけではない。
 政治家だろうが役人だろうが、スポーツ選手だろうが芸能人だろうが、とにかく少しでも落ち度があったり弱みを見せたら、二度と立ち上がれないほど完膚なきまで叩きのめすのだ。
 教育界だけが特別ではないのだ。

 県の採用担当のコメントを見ると、何となく世の中や他人のせいにしているように思えて、そこがちょっと残念なところだ。