そっちが何回も書くなら、こっちも何回も書くぞ。
 オンライン授業の扱いに関する埼玉新聞の記事に関してである。

 実は、今日これから「埼玉新聞高校受験ナビ」に掲載する記事を書くところである。
 埼玉新聞社は私にとって重要なクライアント(お客様)だ。
 記事を書いて原稿料をもらっているのだ。
 そういう関係だから、あまり文句は言いたくない。

 だが、保護者の不安を煽るのはよろしくないので、その都度訂正をしておくわけである。
 この問題について一貫して書いているのは杉野孝という記者だ。
 WEB版では無署名だが紙版は署名記事となっている。
 さいたま市教委に対して常に批判的記事を書く人らしい。
 「コロナでのオンライン授業は出席停止 保護者ら不安…さいたま市、出席日数を記載へ 出席扱いにはせず」

 何度も書いているように、高校入試にはまったく影響がない。
 調査書(いわゆる内申書)には欠席日数を記載する欄しかない。
 コロナに罹って出席停止になっても、オンライン授業が出席停止扱いになっても、これらが欠席日数に加えられることはない。つまり、事実上の出席扱いだ。

 しかも、入試選抜において欠席日数が資料として用いられることはない。
 このことは、入学者選抜実施要領・要綱及び各校選抜基準を見れば明らかである。

 よって、ここで問題になっているのは指導要録にどのように記載されるかということだけである。
 通知表のこともあるが、そもそも通知表というのは発行が義務付けられているものではない。
 通知表をやめた学校もあるくらいである。
 それに対し、指導要録は法により作成が義務付けられており、保存期間にも定めがある(学籍部分20年、指導部分5年)。
 出欠の記録は、指導部分(指導に関する記録)に記載される。
 なお、指導要録はそれ自体が公開されることはない。
 ただし、進学の際は、その写しが進学先に送付される。
 と、まあ、指導要録とはこのような記録文書であるから、オンライン授業が出席停止扱いになろうが、条件付き出席になろうが、はたまた出席扱いになろうが、大した問題ではない。
 
 新聞記事では「不安を払拭できない」という小学生母親の声を拾っているが、一体、どこがどう不安だというのだ。
 記事の中に不安という言葉を入れたいだけなのではないか。

 ただ、これも何度か書いているが、オンライン授業の位置づけについては今後はっきりさせる必要がある。
 法や規則が想定している授業は、物理的に児童生徒が教室にいて、先生から対面指導を受けるという姿である。
 オンライン授業というのは、つい最近始まったものであり、従来の法や規則が想定していない形式である。
 そこから、さまざまな問題が生じる。

 別に文部科学省や市教委の肩を持つ気はないが、一日の授業を対面と同じ内容ですべてオンラインで出来るのか。
 授業の質が担保できるのか。
 通信環境の問題でオンラインに対応できない家庭があった場合どうするのか。
 それらを考えると一律に出席扱いにしづらい面があるのも事実だ。

 おそらく、オンラインも通常の授業をみなされる時代がくるだろう。
 ただ、もう少し時間はかかる。
 この手の記事によって、それが加速されればいいのだが。