あいちトリエンナーレの企画展が中止になった。その展示内容に関し疑問の声が上がり、はては「ガソリン缶持って行くぞ」の脅迫メールまで寄せられる騒ぎとなり、中止のやむなきに至った。残念なことだ。

 トリエンナーレと称される国際芸術祭は各地で行われており、我がさいたま市でも3年前に行われていたが、そっち方面にはまったく無知で無関心な私は完全スルー。私の周囲では話題にも上らず、開催さえ知らなかった人も大勢いた。

 しかしこれは、だから無意味と言っているのではなく、そんなものだし、それでいいという意味で言っている。全国各地で行われるトリエンナーレ巡りを楽しみにしている人だっているし、今年も行われ、前回2016年は100万人が来場した瀬戸内国際芸術祭のような事例もあるのだ。

 あいちトリエンナーレは、芸術監督の人選に失敗したかなと思うが、ジャーナリストの津田大介氏について詳しく知るわけではないので断定はできない。ただ、ジャーナリストなんていう人種は、個人で好き勝手にやってる連中がほとんどで、組織を動かした経験もないし、ビジネスや経営をやったこともない。本人にアーティストの素養があればまだ救われるがそれもない。選んだ方も選んだ方だが、引き受けた方も引き受けた方だ。

 と、自分で望んだわけではないものの教育ジャーナリストの肩書を持つ私はそのように思うのである。

 芸術だけを語るなら「表現の自由」は黄金の言葉だ。
 しかしトリエンナーレは、芸術の振興を旗印とする地域活性化イベントだ。行政が関り公費も投入される地域おこしだ。よって、ここでは「表現の自由」は全能ではない。

 個人で好き勝手にやっている私には、芸術性と商業性(採算性)のバランスを取りながらイベントを成功に導くだけの知恵はないのだが、中止という事態は失敗中の失敗であるから、その意味で残念なことと思うわけである。