塾の先生方は、学校や学校の先生方から「業者」とは呼ばれないだろう。でも私は呼ばれるよ。誰からそう呼ばれるかというと事務室の人からだ。
 私と学校との関係性はいろいろあって、「先生」と呼ばれることもあれば「業者」と呼ばれることもある。

 明日は公立中学校に講演に行くが、この場合は講師の「先生」となる。
 しかし、わが社は学校のパンフレットやポスター、ホームページや動画を制作する仕事などもやっている(細々とだが)。こういう時は「業者」だ。
 受付窓口で、「広報の〇〇先生とお約束をいただいている株式会社メディアバンクスの梅野です」と名乗ると、事務職員の人が内線電話で「受付にお約束の『業者』さんが見えました」などと担当の先生に取り次いでくれる。

 で、この「業者」っていう言葉なんだが、呼ばれる方の気分としてはあまりよろしくない。たしかに広告制作業や編集制作業を営む者だから、そういう意味で「業者」で間違ってはいない。
 でも、何だか見下されてる感がぬぐえないんだな。

 学校にとっての受験生や塾の先生方はお客様だけど、学校から仕事もらってるオマエらは正面玄関から入って来るな。裏へ回れ。
 そう言われているような気分。

 これは、私がずっと「先生」と呼ばれる立場にいたためで、慣れていないからだ。たぶん自分だけの感覚なんだろうと思っていたが、ネットで調べてみると案外そうでもないらしい。

 われわれ業者は仕事さえいただければ、呼ばれ方なんかどうでもいいわけだが、たとえば学校でよく耳にする「エアコン故障しちゃって「業者」呼んでるんだけど、なかなか来ないんですよ」みたいな言い方ね。これは考え直した方がいいかもしれない。
 別に金を出している方が偉いわけじゃないからね。自分で直せないからお願いしてるわけでしょう。

 学校関係者の皆さん。内々でどんな言い方をしようと自由だが、当人目の前に「業者」はやめておいた方が無難だ。