「反省は自分の人生に活かしなさいよ」。今回は親向けのメッセージだ。人間30年40年と生きておれば、いろいろ反省もある。その最たるものが、もっと勉強しておけばよかったというもので、もっと遊んでおけばよかったと悔いている人はあまり見かけない。

 もっと勉強しておけばよかったと反省している人は(親は)、その反省をわが子に向けてはいけない。だって、あなたのしてきたことなんだから、あなた自身が落とし前をつけなさいよ。つまり、反省しているんだったら、今から勉強しなさいよということだ。なに人生100年時代だ。時間はたっぷりある。

 自分はあまり勉強してこなかった。それで損をしたこともあった(ような気がする)。わが子には同じ思いをさせたくない。
 その気持ち分からなくもない。
 そもそもあなたが育てた子供であるから、放っておくとあなたと同じように勉強しない子になる可能性が高い。だから、勉強するように言うのは別に間違った行動ではない。

 しかし、ここで考えてもらわなくてはいけないのは、あなたがなぜ勉強しなかったかである。
 反省とは原因の究明のことを言う。
 何か事情や理由があったはずである。それは一体何だったのか?
 親が原因を取り除いてくれたら、あなたはもっと勉強する子になったかもしれない。だとしたら、あなたがわが子にしてやるべきことは、ただ「勉強しなさい」と口で言うことではなく、勉強しやすい環境や勉強したくなる雰囲気を作ることである。障害を取り除いてやることである。きっかけを作ってやることでる。

 あなたがいい年こいて猛勉強しているのを見た子供は、「自分はそうならないように今のうちやっておこう」と思うかもしれないではないか。

 ところで。
 もっと勉強しておけばよかったと反省している人は、実はかなり見込みのある人である。この反省をするのは、そこそこやって来た人であり、勉強のもたらす利益を少なからず知っている人であって、全くやって来なかった人にこの反省は起こらない。

 自分の勉強不足は自分で解消しましょう。わが子に肩代わりさせてはいけません。