一昨日の話の続きである。名のある大手塾が、1教室あたりの床面積が100㎡を超えていないという理由で対面授業を継続しているが、それはありなのかという話。

◆休業要請の前提には人との接触8割削減がある
 まず、休業要請のあった業種とか、その規模だとかの前に、緊急事態宣言の前提となっている考え方を再確認してみよう。
 「人と人との接触を8割減らしましょう
 これだったんじゃないかな?

 8割削減ということなら、大中小すべての塾に網をかけなくても、大または中までで事は足りる。なぜなら、塾に通っている小中高校生の大多数は、大または中に通っているのであり、小に通っている児童生徒は少数だからである。(このことを裏付ける具体的なデータをあげられればいいのだが、残念だが見つからない)。
 大手塾が自粛要請に応えてくれれば8割削減が達成できる。
 根底にあるのは、このような考え方であろう。

◆なぜ床面積で分けたのかは不明
 なぜ床面積で分けたのか。これは私にはよく分からない。売上高とか在籍生徒数とか、他にも分類の仕方がありそうだ。
 おそらく、休業要請をした他の施設(集会・展示施設、商業施設)も床面積で分けているので、それに合わせたのだろう。
 教室面積など誰かが調べに来るわけでもない。役所も今、そんなことをしている余裕はない。とにかく8割削減目標に協力してくださいとお願いしているのだ。

◆小規模塾も協力要請をされている
 床面積で1000㎡以上とか100㎡以下などと分類されたものだから、うちはそれ以上だとかそれ以下だとか、そっちに気を取られてしまうが、もう一度言う。今の目標は「人と人との接触を8割減らしましょう」である。
 私が直接知る限りの塾長さんは、このあたりを概ね理解されており、うちは100㎡以下だから関係ないのだと言っている人はいない。営業を続けるにしても、通塾日の8割削減、授業時間の8割削減、教室人数の8割削減、とまでは行かなくても、それに近づけるような努力はされている。
 今は、やむを得ず、そして手探りでやっているオンライン授業であるが、この経験は後々生かされるだろう。頑張って!

◆最後は自分自身に跳ね返ってくる
 8割削減目標が達成されなければどうなるか。学校はさらに休校延長。
 一切の外出禁止という事態にでもなれば、塾側も大だの中だの小だのと言っている場合じゃなくなる。だから、ここは規模に関係なく、というか規模に応じた協力をしましょうよということだ。
 大勢の塾生を抱えている大手塾は、それに見合った社会的責任もあるのだから率先してお手本を見せていただきたい。