自慢じゃないが腰痛持ちだ。私の腰痛との付き合いは長く、高校生時代からであるから、半世紀以上となる。
 こういった場合、趣味はマラソンや登山といったアウトドアには向かわず、インドアの文化的方向に行って良さそうなものだが、そうはならなかった。

 たまたま診てもらった医者が、当時の有名なスポーツドクターで、その先生から、「腰痛とは一生の付き合いになるよ」と言われた。つまりは、腰痛と付き合いながらもスポーツは続けなさいということで、そこまでは分かった。だが、若かった私には「一生」ということがまったくイメージ出来なかった。

 あれから40年、いや半世紀。
 私はドクターの予言どおり、というか言いつけどおり、腰痛と付き合いながらスポーツを続けてきた。「一生」の意味も理解した。

 ちょっと痛いという状態は日常的なものなので、もはや気にならないが、時々大爆発がやって来る。通常の腰痛にいわゆるギックリ腰が加わる。それが久しぶりに襲ってきた。前回は2016年だったから4年ぶりだ。オリンピックと一緒。

 治療法は簡単。痛み止めを飲み、湿布薬を貼り、じっと寝て炎症が引くのを待つ。
 ただ、回復を早めるには医者にかかった方がいい。別に特別な治療をしてくれるわけではなく、レントゲンを撮って、症状を聞いて、ではお大事にというだけだが、薬と湿布薬が出る。
 狙いは鎮痛剤と湿布薬だ。
 医者から処方されたのは、鎮痛剤ロキソニンと久光の湿布薬。湿布薬の名称は不明だが、市販薬でいうフェイタス5.0だ。これ、貼りやすい。臭わない。
 医者からもらった鎮痛剤と湿布薬をドラッグストアで買い求めると、たぶん倍かそれ以上の価格になる。
 ということで、マツキヨに行かず、整形外科に直行。

 椎間板は完全にすり減っている。これはレントゲンで見ても明らか。一度失われた軟骨組織は元には戻らず、iPS細胞などを使った再生医療に期待するしかないが、それまで生きられない。せいぜいグルコサミンやコンドロイチンを気休めに飲むくらいしかない。

 長時間同じ姿勢をとるのが辛い。原稿書きも数行書いては立ち上がり、また座っては立ち上がりの繰り返しで進みが遅い。一番の苦しみは靴下を履く行為で、両足履くのに2~3分かかる。
 歩くのは意外に平気。できれば登山用のトレッキングポールを使いたいところだが、街中では抵抗がある。トレッキングポールはウオーキングの際にも、腰や膝の負担を軽減させる効果がある。マスクが日常化したようにトレッキングポール(杖じゃないよ)がカジュアルなものになると、腰痛持ちとしては助かる。

 それにしても病院が空いておるな。
 爺さん婆さんのたまり場じゃなくなってるぞ。