埼玉新聞本社へ行ってきた。今日は埼玉新聞模試の実施日ということで、万一のトラブルや問い合わせ対応のため担当者が実施本部に詰めていた。
 社内全体がいつもより静かだったのは、明日が月に1回ある新聞休刊日のためだろう。

 今年の埼玉新聞模試はコロナの影響を受け、従来の会場型ではなく、自宅受験や塾内受験という方法を選択した。
 会場型を強行するという選択肢もあるはずだが、連日のように過去最多だ、どこそこでクラスター発生だ と、コロナ一色の紙面づくりをしておいて、自分のところの模試で感染拡大させたのではシャレにもならん。
 新聞社として当然の選択だろう。
 
◆マスコミは最上級がお好き
 このことは何度も言っているが、マスコミは「最」の字が大好きなのである。
 最高、最多、最新、最古、最大、最悪・・・
 これらを見出しに使いたくてしょうがない。
 だから見出しに「最」の付く熟語が登場しない日はない。
 それほどの大好物なのだ。

 ただしその方が読者の食いつきが良いという面もあり、好んで使うマスコミばかりを責められない。

 先ほどもYahoo!ニュースをチェックしたら「全国の重症者583人、最多更新」などと出ていた。
 「全国の感染者、過去最多」
 「全国の重症者、過去最多」
 「全国の死者、過去最多」
 「日曜日の感染者、過去最多」
 「土曜日の感染者、過去最多」
 「休み明け感染者、過去最多」
 「女性の感染者、過去最多」
 「十代の感染者、過去最多」
 といった具合に、感染者と重症者・死者、月や曜日、性別、年代、地域、これらの数字を追いかければ、どこかに一つくらい「最多」はある。
 数字を誤魔化すことはしないが、うまく加工して「最高」「最多」「最悪」といった見出しを付けられるような記事に仕立て上げる。
 こういうのが、もう1年近く続いている。
 
 書いてて罪悪感を感じないのか。自己嫌悪に陥らないのか。
 と心配になるが、そんなことはないのだろう。
 なぜって、読者が喜ぶことをやっているだけだから。読者のためだから。

◆勝負の3週間の後に来るものは
 今は、「勝負の3週間」であるらしい。
 先月25日か26日に、西村康稔経済再生担当相が記者会見で「この3週間が勝負だ」と発言したあたりから使われているようだ。
 そうすると今は、第3週の半ばに差し掛かったあたりで、来週の週末には、勝負期間は終了する。

 それにしても「我慢の3連休」とか「勝負の3週間」とか、実態のよく分からないスローガンが多くて困る。
 コロナは気合で乗り切れってことか。
 まあ、病は気からというくらいだから、精神論もまんざら捨てたもんじゃないが。

 この調子だと年末年始にまた新たなスローガンが打ち出されるだろう。
 「暮れの帰省は規制しよう」
 「コロナ運ぶな親元へ」
 「みんなつけようクリスマスク」
 「初詣はオンラインで、お賽銭はカードも受け付けます」
 「家出るな、おせちで乗り切る、三が日」
 
 まあ、われわれは春夏秋冬、丸一年コロナと共に生き、さまざまな経験を積んできたのだから、2年目となる令和3年はもっと良い知恵が浮かんでくるだろう。