知らぬ間にクリスマスが終わっていた。が、何年も前からそれとは無縁の生活を送っていたのだからどうってことない。
 ところで。 
 子育て中に多くの親が経験するのが「サンタさんって本当にいるの?問題」である。

 皆さんそれぞれに考え方があって、最初からそんなものは実在しないという前提に立ち、子供が起きているうちに「はい、クリスマスプレゼント!」と渡すのも一つの方法だ。
 まあ、誕生日と同じ扱いだ。
 その昔、わが家はどうだったかというと、今晩来るぞと期待してなかなか寝付かない娘たちが、ついに睡魔に負け深い眠りについたころ、そっと枕元に置くという方式だったが、それがいつまで続いたかはあまりにも古い話なので覚えていない。ただ、「サンタさんはいる派」だったことは間違いない。

 だが、いつか卒業の日がやってくる。
 その日は来て欲しいような、ずっと来て欲しくないような。
 複雑な思い。

 このような複雑な思いは、何も親だけでなく、先生だって繰り返し味わっている。
 子供は成長し、自立するものだ。
 その日は早く来て欲しい。
 だがその日は、かれらが自分から離れて行く日でもある。
 「もう先生の手助けはいらない。今までありがとう。後は自分でやるから」
 うーん、嬉しいけど、ちょっと寂しいな。

 と、前置きが長くなったが、私の知り合いがFacebookでこんな発信をしていた。
 ご本人の承諾は得ていないが、一部を紹介する。
 (事後承諾ということで)

 サンタはいるいないに関する母娘の会話である。
 (一部省略及び加筆あり)

 ―以下、引用―
 「◯◯くんが、サンタさんは親だって言うの。そんなことないよね?」
  母、いよいよ来たかと思いつつ、
 「そっかぁー、◯◯くんはもう、サンタさんのこと信じられなくなったんだなぁ、、」
 「信じられなくなると、どうなるの?」
 「サンタさんから親に、私の役割は終わりました。これからはお母さんがプレゼントをあげてくださいねってお願いされるんだよ」
 「え、そうなの?クラスの男子はほとんど、親だって言うんだよね」
 「そっかぁー、サンタさんを信じられなくなっちゃった子がたくさんいるんだね」
 「ねぇ、お母さんはまだサンタさんからお願いされてない?」
 「え?まだだよ。△△はサンタさんのこと、信じてるの?」
 「うん!サンタさんはいるよ!」
 「そっか、だったら、今年も来てくれると思うけどね」
 ―以上、引用終わり―

 サンタさんから親への業務引継ぎ説
 なるほど、この手があったか。
 これなら来年、「とうとうサンタさんからお願いがあったから、はいプレゼント」となりそうだ。
 まあ、その頃は、母の創作に気づいている可能性が高いが、「サンタは目に見えない」や「起きてる子の所には来ない」からの移行よりは親の愛が伝わりそうだ。

 「サンタさんって本当にいるの?問題」でお悩みのお父さんお母さん、来年は業務引継ぎ説を試してみたら。