先生というのは、「後で後悔するぞ」ってセリフを人一倍口にする職業なんじゃないかと思う。
「アニメとかゲームの世界に進もうと思います」
やめとけ、後で後悔するぞ!
「○○高校に行きます」
よく考えろ、きっと後悔するぞ!
「将来は船乗りになろうと思います」
後で絶対に航海するぞ!
って、これは合ってるか。
よく、死ぬ前に後悔しないように、などと言われる。
はたして、死の直前に人はわが人生を振り返って後悔するものなのかどうか。
直接聞いたこともないし、公開されたデータもないのでよく分からない。
が、そういう話ではなく、今できることはやっておきなさいとか、しっかりとした将来の見通しを持って行動しなさいとか、そういう戒めの言葉であろう。
そこまで考えて、今を生き、行動している人は立派である。
私はこれまでの人生で、「後悔しないように」と考え行動をしたことがない。
で、その結果。
当然ながら後悔しまくりである。
一日一回は後悔していると言っていいほどだ。
後悔しないためにはどうすればいいか。
よく考え、調べて行動する。
その時に感情に左右されない。
的確に状況判断する。
常に目標、目的を見失わない。
計画を立てる。
信念を貫く。
善悪の判断を誤らない。
己の力量を見極める。
常に全力を尽くす。
人の意見を聞く。
他人を尊重する。
いやあ、あるもんだね、後悔の原因。
他にもあるかな?
でも、たったこれだけでも実行できれば、後悔する確率はぐんと低くなりそうだ。
人に「後悔しないように」と忠告するときは、一緒にこういうことも教えてやらなければならない。
私も一時は悔いのない人生というものを考えた。
今にして思えば、口先だけで何の実行も伴わなかったわけだが、そう言い、そう書いてきた。
が、もしかしたら、それこそが最大の後悔ではないか。
「後悔しないように」の意識が強すぎると、思考も行動も制約される。
うまく行って後悔することはないから、後悔するのは失敗した時だ。失敗に気づいた時だ。
つまり、「後悔しないように」は「失敗しないように」なのだ。
で、失敗を恐れるようになると、行動しなくなり、それがまた「やらなかった後悔」につながる。
なんだ、結局は後悔するんじゃないか。
だったら考え方を変えよう。
「別に後悔したっていいじゃん」。
わざわざ後悔の種を作ることはないが、どの道後悔する。
ならば後悔から教訓を得ることにしよう。
1000円使っちまったが100円回収みたいな感じ。
何なら後悔を笑いに転じてしまおう。
だいたい死を目前にした人間に、何か後悔することありますかって、そんな質問する方が変だろう。
死んでしまえば、死の直前に後悔したこと自体を忘れてしまうんだぜ。
人生そのものが無に帰すんだよ。
生きていてこその後悔だ。
標語として分かりやすいから使うのは構わない。
ただ、たとえば「悔いのない戦い」といった場合、それはキミにとってどういう戦い方なのか。
なぜそれが悔いのない戦い方であり、それ以外の戦い方には悔いが残ると思うのか。
そして、キミにとって悔いのない戦いをするためには、いま何をすべきなのか。
そういった問いかけは必要だろう。
以上。
悔いが残ってもいいが、心の中にしっかりと杭も残そうぜという話。
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