今日は打ち合わせ数件あり、ずっと都内にいた。
 移動の途中、安倍晋三元首相襲撃事件を知った。

 合間合間にニュースを確認するうち、事の重大性を理解した。
 都内での予定を終え、帰路訃報に接した。

 そして、なぜか得も言われぬ脱力感に襲われた。
 一体この脱力感の正体何なのだ。
 個人的には自民党の熱心な支持者というわけでもないし、安倍氏の熱狂的なファンというわけでもない。
 なのになぜ、体全体から力が抜けて行くような感覚に襲われるのか。
 
 要人の暗殺は戦前の話だと思っていた。
 銃撃事件は他国の話だと思っていた。
 今の日本ではあり得ないと安心し切っていた。

 だが、そうではなかった。

 われわれが作って来た国、われわれが作り上げてきた社会は、こんなものだったのか。
 そういう落胆がもしかしたら脱力感の正体なのかもしれない。
 が、今はまだよく分からない。

 今はただご冥福を祈るのみだ。