MEXCBT(メクビット)の話である。
 最近よく耳にするようになったが、中身はよくわからん。
 で、調べてみた。

 文部科学省のサイトに説明があった。
 文部科学省CBTシステム(MEXCBT:メクビット)について

 MEXCBT(メクビット)は、文部科学省(ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology)の略称である「mext」と、「CBT」(computer based testing)を合わせた造語である。
 つまり、文部科学省版CBTシステムだ。

 国際的な学力検査ではCBT化が進んでいる。
 わが国もGIGAスクール構想によりCBT化のための環境整備が進んだ。
 そこで、さしあたり「全国学力・学習状況調査」のCBT化を推進しようではないか。
 という流れのようである。

 令和3年12月から希望する全国の小中高校等での活用が始まった。
 現在、約1.1万校、約360万人が登録しているという。
 ちなみに、メクストを導入している割合がもっとも高いのは埼玉県である(令和4年7月現在)。

 と、ここまでを頭に入れて、今日の埼玉新聞1面トップ記事である。
 「県学力調査デジタル化 国のシステム検討 蕨の小中学校で初実施
 WEB版にリンクを貼りたいところだが、WEB版ニュースには出ていない。
 WEB版のトップは相変わらずコロナ、次が国葬反対デモが行われたというどうでもいいニュース。
 
 仕方ないので、要約する。
 ●蕨市の小中学校10校で、「県学力・学習状況調査」のCBT化に向けた調査を行った。
 ●調査にはMEXCBT(メクビット)を初めて使用した。
 ●県は、2024年度からCBTに全面移行する計画である。
 なお、念のため。
 埼玉県では、国が行う「全国学力・学習状況調査」とは別に、独自の「県学力・学習状況調査」を実施している。

 このことについては、8月末、県からも報道発表があった。
 埼玉県学力・学習状況調査CBTプレ調査の実施について

 ニュースとしては以上である。

 「全国学力・学習状況調査」がそもそも必要かという議論もあるが、それはさておき、テストのCBT化は否応なく進むであろう。
 頓挫したが、大学入試共通テストもCBT化を目指している。
 各種資格試験等もCBT化が進むであろう。

 今のところ、越えねばならぬ山は多い。
 場所(試験環境)をどうする。
 機材(パソコン)や通信環境はどうする。
 そのための莫大な費用はどこから出す。
 受験生や学校や世間の理解をどう獲得する。

 しかし、目の前にどんなに険しい山があろうと、目的地は、はっきりしている。
 課題が山積しているからやめようとはならないのだ。
 教室から紙の教科書やノートやプリントが姿を消して行く時代に、試験だけが紙というわけにも行くまい。
 
 中学入試や高校入試にCBTを導入し、それを売りにする学校が間もなく現れるだろう。

 繰り返すが、現状課題は山積している。
 メリットもあるがデメリットも多い。
 そう簡単なものではないというのはその通り。

 だが、2010年に世の中に初登場したiPadを、いまや小中学生が普通に授業で使っている。
 私も興味本位で初代iPadを手にした口だが、当時、「そんなもの何に使う」と言われたものだ。
 自分でも、そんなものが教室で、勉強に使われるなどとは思ってもみなかった。
 だが、10年経ったら、世の中の風景はまったく変わっていた。

 そんなの無理。
 出来っこない。

 そう言わずに、近い未来を一緒に考えましょう。