今日は埼玉新聞社の取材に同行し、埼玉県立総合教育センター(行田市)に行ってきた。
 先生方のための研修センターという役割を担っているが、入試とも関連の深い機関である。
 入試に関連する情報は過去分も含め、ここのホームページに網羅されているので、受験生の皆さんは積極的に利用しましょう。
 という主旨の記事を書き、県内全中学校の新中学3年生(現2年生)に配布する。
 中学校を通して直接生徒に配布してもらうが、同じ記事は3月10日付の埼玉新聞にも掲載される予定だ。

 せっかくの機会なので、同所ホームページについて、改善して欲しい点などをお伝えしてきた。
 一県民の声というやつだ。

 さて、入試関連、今日の話題。
 昨日(2月13日17時)
 「令和5年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における入学志願者数について」
 という発表があった。
 ここでは、令和5年度(2023年度)入試の全体像が把握できる。
 個々の学校の志願者数・倍率も気になるところだが、全体を俯瞰して見ておく必要もあるだろう。
 
 学校ごとの志願者数・倍率を直ちに確認したい方はこちら。↓
 「令和5年度 埼玉県公立高等学校における入学志願者数」

◆4人に1人が学校選択問題採用校を志望
 何年も前から現れている傾向だが、受験生は上位校に集中している。
 さしあたりここでは、学校選択問題を採用している学校を、県全体の中での上位校と位置付けるとしよう。

 学校選択問題採用校は、浦和・大宮をはじめ22校ある。
 入試を実施する全日制は137校であるから、そのうちの16.1%だ。
 (137校には専門高校も含まれる)

 いま現在の全日制志願者は、40.069人である。
 そのうち学校選択問題採用の22校の志願者数は10.729人である。
 これは26.8%にあたる。
 全日制志願者の4人に1人以上が学校選択問題採用の22校を志願している。

 現時点における全日制倍率が1.11倍、普通科だけなら1.17倍となっている。
 が、これを学校選択問題採用校に絞ってみると、1.41倍に跳ね上がる。
 理数科を加えるともう少し上がるだろう(1.42倍くらい)
 高倍率の理数科だが、募集人数が各校40人程度なので、全体の数字を一気に押し上げることにはならない。

◆志願者数では川口市立
 いま現在、志願者がもっとも多いのは伊奈学園の894人だが、募集人数が多い学校なので別枠だ。
 学校選択問題採用校だけに絞って、志願者数に注目してみる。
 (理数科・外国語科も含む人数である。カッコ内は総募集人員)

 1 川口市立 761人(400)
 2 浦和   597人(358)
 3 大宮   591人(358)
 4 市立浦和 552人(240)
 5 浦和西  528人(358)
 6 川越南  525人(358)
 7 川越   505人(358)

 倍率だけで見ると市立浦和、川口市立・普通科が上位にくるが、これは募集人員がそれぞれ240人、280人と少ないためで、志願者の実人数比較では浦和、大宮がトップということになる。
 このまま行けば、浦和と大宮だけで472人の不合格者が出ることになる。公立側からすれば、もったいない話で、もっとうまく分散できないかという気もするが、私立側としては歓迎すべき状況だ。

◆苦戦続く熊高、熊女
 学校選択問題採用校は基本的には358人募集だ。
 (理数科、外国語科も含めて)
 あてはまらないのは川口市立(400)、熊谷(318)、熊谷女子(318)、熊谷西(318)、越ヶ谷(318)、和光国際(317)、大宮北(320)の7校。

 もし仮に、これらの学校が358人募集だったら?

 川口市立はさらに倍率上昇。
 熊谷   1.01倍
 熊谷女子 0.99倍
 熊谷西  1.00倍
 越ヶ谷  1.35倍
 和光国際 1.20倍
 大宮北  1.05倍
 
 あくまでも机上の計算だが、こんな数字が出て来る。
 熊谷、熊谷女子、熊谷西の3校は、358人募集にはたえられそうもない。
 生徒募集というのは面白いもので、と言うか、不思議なもので、募集を減らせばいったんは落ち着くが、しばらくするとそれも重荷になる。また減らせば、それもまた苦しくなる。特に、伝統のある熊高、熊女は、358人募集でも今の倍率を出さなくてはいけない。頑張ってくれ。