7月31日、通称全国学テ、正式名「全国学力・学習状況調査」の結果が発表された。
 埼玉県教育委員会の発表はこちら。
 全国学力・学習状況調査 結果概要(埼玉県)

 文部科学省の発表はこちらから。
令和5年度全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果について

 新聞報道はいろいろあるが、たとえばこんな記事がある。
 全国学力テスト 埼玉県内、ほぼすべて教科で全国平均上回る(産経新聞)
 さいたま市3教科1位/学力テスト 小6理科中3国語、数学(読売新聞)

 新聞報道などは全国平均と比べてどうか、あるいは全国順位はどうかなどが中心になっている。
 入学試験や模擬試験ではないのだから、もっと別の視点からの分析や解説が欲しいところだが、それでは記事としてつまらない。
 読まれない記事を書いても仕方ないから、世間受けのいい平均点や順位ということになる。

 それも大事なことではあるが、教育に関わる皆さん方は、どんな問題を苦手としているか、それはなぜなのかなど、専門的視点からの分析をしなければならないだろう。
 まあ、言われなくてもとっくにやってますよというところだろうが・・・

 冒頭書いたようにこの調査は学力テストであると同時に学習状況調査でもあって、児童生徒と学校(先生)の両方にさまざまな質問をしている。
 児童生徒に対しては、たとえば、
 「自分にはよいところがあると思う」
 「家で自分で計画を立てて勉強をしている」など。
 学校に対しては、たとえば、
 「児童(生徒)自ら学級やグループで課題を設定し、その解決に向けて話し合い、まとめ、表現するなどの学習活動を取り入れた」
 「児童(生徒)同士がやりとりをする場面では、児童(生徒)一人一人に配備されたPC・タブレットなどのICT機器を使用させている」など。
 それぞれ全国との相違、前回調査からの変化などが示されているので、これらの数字に注目しておきたい。

 質問内容を詳しく知りたい方はこちら。
 児童質問紙(小学校6年生)
 生徒質問紙(中学校3年生)

 「自分にはよいところがある」という質問に対しては、小学校で85.6%、中学生で82.4%が「当てはまる」「どちらかと言えば当てはまる」と回答している(埼玉県のデータ)。
 小学生の方が高く、中学生の方が低いのは納得できるが、それにしても15%の児童生徒が「自分にはよいところがある」と思っていないわけで、これなどはもう少し上げたい数字である。

 「PC・タブレットなどのICT機器を使用させている」については、前年調査に比べ大きく上がっているが、それでも20%台にとどまっており、まだまだ緒についたばかりという印象だ。
 せっかく全員に持たせたのだから50%くらいまでは行ってほしいところだ。
 
 平均点や順位については、世間一般の方にお任せして、プロフェッショナルの皆さんには、質問紙調査の結果分析をお願いしたい。