埼玉県から一歩も出たくない私だが、今日は横浜まで出かけた。
 東京を超えて神奈川県というと心理的には遠いが、乗車時間は55分前後。
 今日乗った電車(上野東京ライン)は51分だった。
 熊谷とほぼ変わらず、深谷に行くより早い。

 出がけに激しい雷雨に見舞われた。
 うわさに聞くゲリラ豪雨というのはこんな感じなのか。
 風もあって傘もまともに開けない。
 事務所から浦和駅までの10分足らずで、ズボンはびしょ濡れになるし、靴の中も水浸しだ。
 「ああ、こんな格好で電車乗りたくねえ」
 そう思ったが、仕事(取材)には行かねばならぬ。
 
 この雨は局地的なものだ。
 それが証拠に、と言うべきか、電車は普通に動いている。
 空席はあったが、なにしろ洗濯機で洗いだけして、脱水かけずにそのまま履いたような状態なのだ。
 とても座る気にはならん。
 不幸中の幸いは、今日は黒のズボンを履いていたことだ。
 しかもポリエステル素材。
 結果、気のせいだと思うが、それほど目立たない。
 グレー系のウール素材だったら目も当てられなかったろう。

 で、余計なことをグダグダと書き連ねたが、今日の目的地は横浜高校である。
 横浜で京急本線に乗り換え、「能見台(のうけんだい)駅」下車。
 駅から校門まで1~2分、校門から玄関まで1~2分。

 野球で有名な同校は2022年4月に共学化した。
 当初学校側は、男臭さムンムンの学校にはたして女子が来てくれるだろうかとだいぶ心配したようだが、蓋を開けてみれば女子が殺到。
 今では、女子校が共学化したのではないかと錯覚するほど女子生徒が溢れかえっている。
 2023年4月現在で全校生徒数は2168人、男女比率は48対52となっている。

 生徒数2000人超えは埼玉で言うと、浦和学院、埼玉栄あたりがこれに相当する。
 浦和学院はIBコースを新設するし、埼玉栄もスーパー特進に相当する「αコース」を設定するなど、進学校としての側面も強化しようとしているのに対し、横浜高校は「まずは楽しい学校」を前面に打ち出そうとしているようだ。
 もちろん、特進に相当する「プレミアムコース」などもあるわけだが、学校規模の維持が優先されているようだ。

 これから私は、この学校の特集記事を執筆するわけだが、学校側からは大学進学実績などよりも、この学校の魅力、つまり「楽しさ満載の学校生活」を前面に打ち出した記事を書いて欲しいと言われている。
 なお、記事は業界用語で言うところのペイドパブリシティというものである。
 つまり料金をいただいて書く記事。

 このところ開智、熊谷女子、城北埼玉と部活取材を続けているが、こちらは純然たる取材記事であるから、発行前に学校側に原稿をチェックしてもらうこともしない。こちらが見たとおり感じたとおり書く。
 もちろん学校にとってマイナスになるようなことを書くつもりはないが、かと言って学校の指図は受けないというスタイル。

 それに対して、今回の記事は学校の要望に沿って書き、原稿チェックも受ける。
 記事の入った新聞は神奈川県にしか配布されないので埼玉の方は目にすることはないだろう(WEB版では見られるかも)。
 大学進学実績には触れず、学校生活の楽しさを中心にというオーダーは、埼玉の私立学校からは受けたことはないので、私にとってはなかなか骨の折れる作業になりそうだ。