12月22日(金)、埼玉県内の公立高校では終業式が行われた。
 そこで恒例「校長は何を語ったか」。

 あまり読まれることのない記事だが、その割に執筆に時間がかかる。
 全校のホームページをチェックしなければならないからだ。
 所要時間約5時間。
 公開時間が遅くなったのはそのせいだ。
 では、どうぞ。

●上尾(嶋村秀樹校長)
令和5年度第2学期終業式講話より
「渋沢栄一が度重なる挫折にもかかわらず、日本の経済力を高めることに貢献できたのは、未来を信じることができたからともいわれています。こうあるべきだ、こうありたいという野心に燃えていたからなのでしょう」

●伊奈学園(浅賀敏行校長)
令和5年度2学期終業式を行いました
「諸君が近い将来システムの側になっても、利のやつこ、位のやつこに成り下がることなく、果たして自分は、我身の主たるか否か、絶えず写し鏡のように自己を見つめ、ダモクレスの剣のように自らに突きつけて、往く令和5年を振り返り、来る令和6年を展望してくれること、そして3学期始業式にはだれ一人欠けることなく、元気に集うことを楽しみにします」

●浦和工業(堀口真史校長)
令和5年度 第2学期終業式
「 技術の進歩はとても素晴らしいことです。しかし、技術の進歩が人を苦しめることがあってはなりません。これからの皆さんに求められることは、本質を見極めることのできる目であると考えます。それには、技術以上に倫理観が必要となります。皆さんにはその素養を身に着けてもらいたいです」

●浦和商業(内田 靖校長)
第2学期終業式挙行【校長ブログ】
「「夢は達成までが遠くて数値化しにくくぼんやりしているものだが、目標は達成までが近く数値化しやすいはっきりしたものです。(中略)この回答は、絶対解ではなく、ある程度の人数の人が「そうだ
ね」と指示する納得解です」
「このブログ(注:校長ブログ)を見たある教育評論家が自身のブログに、「浦商からこういう卒業生が出現しても、そんなに驚かない。」と記述していました。浦商で学んだ卒業生なら、そういう努力と成果を挙げてもおかしくないというのです」

 ある教育評論家とはたぶん私のことだ。
年末の明るい話題、浦和商・熊谷商卒業生が公認会計士試験合格(12月11日)
 という記事を書いたので、ご記憶の方もあるだろう。

●浦和西(加藤 元校長)
令和5年度第2学期 終業式校長講話
「「不可能だという思い込みが、挑戦を妨げてしまう。」。カリコさんのこの生き方は、たとえ自分がどんなに苦しい状況であろうと、他人を羨んだり、周りのせいにしたりすることなく、自分の今やるべきことに集中すること、信念を持って自分の道を進んでいくことの大切さを教えてくれています」
 注:カリコ=2023年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した女性科学者カタリン・カリコ博士

●大宮東(上條 岳校長)
2学期終業式 校長講話
「チームや社会・組織が正しい軌道で動くのは、その組織にいる一人一人にそれぞれの役割があって、決して目に見えないところでのチームへの貢献といった働きや努力があるからではないだろうか」

●越生(吉澤 修校長)
校長便り【77】2学期終業式を実施しました
「皆さんも、いきなり社会を変える行動をとることは困難であると思いますので、先ずは自分を知ることから始め、知ることにより自分の持っている力がわかり、その力をどう社会に生かしていけるのか”社会のために自分ができることを知る”これが課題となります」

●春日部工業(齋藤 潤校長)
【校長のブログ】12/22 2学期終業式を行いました。
「私は平成30年度に1年間IT系の民間企業に出向しましたが、そこで言われたことは「挑戦は成長するためにある」ということでした。これは言い換えれば「成長のためには、挑戦しないといけない」ということです」

●春日部東(竹本 淳校長)
校長室から⑨
「春日部東高校という学校は、文武両道の実現はもちろんのこと、一人一人が自制心と思い遣りの心をもち、常に他人をリスペクトできる生徒が通う学校でなくてはならない」

●川口北(高松健雄校長)
12月22日 全校集会 校長講話「夢を描くことから始めてみませんか」
「今年の4月から12月までの校長面接では1,000人以上の皆さんと話をしました。そこでは、様々な夢や希望を持ち、時には迷ったり、もがいたりしながらも、この川口北高校で充実した毎日を送っているということを聞くことができました。その中で強く印象に残ったことは、「大きな夢や希望を語っている人ほど、日々の努力を重ねている」という事実です」

●川越南(石川良夫校長)
校長日誌 全校集会を行いました
「こうした言語生成系AIを使って作成した文章は必ずしも正しいとは限りません。作成された文章が正しいかも自身で判断をしなくてはなりません。また、言語生成系AIに頼ってばかりいたら、読解力や文章作成能力は高まるでしょうか。大いに疑問が残ります。皆さんは、決して言語生成系AIに使われるのではなく、使いこなせる人になってほしいと思います」

●熊谷(加藤哲也校長)
令和5年度2学期終業式
「コロナ禍で、多くの人が心にボディブローを受けている今、小さな親切運動は、心のレジリエンス(耐久性・回復力)を高めるための貴重なプラットフォームとしても見直されています。そういう意味において、熊高生の皆さんには、自分ができる、あるいは、自分が思う親切を、まずは、身近な人にしてあげて欲しい、次に、その輪を、少しずつ広げていって欲しいと願っています」

●熊谷女子(佐藤智明校長)
誰かのためになる生き方を(校長講話・2学期終業式)
「皆さんが取り組んでいる学びは、将来の仕事につながる。その仕事は、世の中の誰かを支える仕事のはずです。人の幸せとは、誰かのためになっているという実感を持つことで、そんな生き方を目指してほしいと思います」

●越ヶ谷(池田 靖校長)
【校長ブログ】第二学期終業式
「埼玉県、否、首都圏で有名な高校受験ブログには「校長は何を語ったか?」という特集記事が都度あります。(私は生徒との距離感で、読み原稿とは違った話をしてしまうこともあり、読み原稿をママ掲載することはないのですが、他校の校長講話を拝見するとなるほどですね。。と感心することしきりです。)」
 
 校長講話ではないが、このブログ記事について書かれていたので。
 首都圏で有名かどうかは怪しいが10年も続けていれば埼玉県ではそれなりに知られているかもしれない。
 池田校長は、前任校の時代から「今日は〇〇の日」から始めて、最終的には生徒へのメッセージという形でまとめるブログを連日発信している。
 毎日書くことにしているとネタで悩むことがしばしばある。
 そういう点で「〇〇の日」から書き起こすのは良いアイディアだ。なにせ1年365日、すべてが「〇〇の日」なのだ。
 ただ、それを枕にして最後は生徒向けメッセージに落とし込むというのはある種の職人技とも言えるもので、私も毎度感心しながら読ませてもらっている。

●越谷南(井上一也校長)
【校長室】2学期が終了しました
「『私の嫌いな言葉の一つに、「自分へのごほうび」があります。最近は若い人に限りませんが、物事がうまくいかなかった時に、「がんばったんですが」と言う人が多くなったように思います。ちょっと待ってよ、と私は思います。努力したかどうかは、他人が決めるものではないでしょうか。「あなたはよく努力したね」とは、他人から言ってもらうものであって、「私は努力しました」と自己申告するものではないと私は考えます」

●庄和(水石明彦校長)
【校長講話】第二学期終業式
「漱石の時代から100年余りが経ち、日本が欧米の背中を追う時代はとうに過ぎ去っています。グローバル化が進み、世界がより身近なものとなった今、漱石のいう「自己本位」がより強く求められる時代となりました。しかし、今を生きる我々はどうでしょうか。周りを気にしすぎたり、人まねをしたり、自分の意見を持たなかったりしていないでしょうか」

●草加南(谷ヶ﨑 覚校長)
2学期が無事に終了しました
「皆さんには、誰にも「伸びしろ」があります。自分では気づいていないかもしれませんが、色々な力を持っている人はたくさんいます。ぜひ、自分の力を信じて、高みを目指してチャレンジ・努力をしてほしいと思います」

●秩父農工科学(服部 修校長)
令和5年度第2学期終業式 校長講話
「学校は学ぶところ。学校生活は、ルールの中で日々の学習に前向きに取り組むことが前提です。これがおざなりになってしまったら学校としての体をなさなくなり、後々、無意味な高校生活(3年間)だったと後悔するようなことがあっては困ります。諦めてしまったらそこで試合終了。今ならまだ間に合います」

●鶴ヶ島清風(井上正明校長)
校長ブログ32  第2学期終業式にあたり!
「先生方は真剣に授業を行います。なぜなら、先生方は教材の理解から学習成果を上げ皆さんの進路実現につなげ「進路(ゆめ)」を守り抜きたいという強い気持ちが込められているからです」

●常盤(鴨志田新一校長)
全校集会&国家試験激励会
「このように高校というのは、地域にとっては、とても重要な存在です。埼玉県でも生徒減から、県立高校の統廃合が進み、学校数も減ってきています。高校がないと、なんとなく地域の元気がなくなったという話も聞きます。このことを考えながら、地域の方々に感謝の気持ちを持ち、普段の学校生活や登下校の時も、見守られていることを意識してください」

●所沢(内田正俊校長)
二学期終業式校長あいさつ「わざわざ意識して、新鮮な感動や失敗を重ねて悩みましょう」
「脳は省エネに動くとなれば、「いつもと同じ」をやめ、ルーティンにしないよう意識的に脳に負荷をかけてやる必要があります。負荷を一度にかけると壊れてしまうので、継続してちょっと強い負荷をかけ続けることです。「じぶんにはできない」というくだらない先入観を捨てて、初めての経験、新鮮な感動や失敗を重ねて悩むことです」

●南陵(掛川達雄校長)
【2学期終業式】おかげさまで無事、冬季休業を迎えることができました。
「ここで私が皆さんにお伝えしたいのは、進路を考える上で是非自分の強みを見つけて欲しいということです。自分の強みはきっと好きなことの中にあるはずです。皆さん自身が一度しかない人生をよりよく生きるために、この冬休み自分自身の強みが何であるかという自己分析をしてみてください。自分の宝物を探し、それをどんどん磨いていくことが理想の実現への近道です」

●新座総合技術(佐久間博正校長)
2学期終業式を行いました
「しかし、天の時を人為的に良い方向に変化させることは、不可能ではないでしょうか。松下さんが言うように、時を待つ必要があります。ただし、何もしないで時間を浪費しているだけではだめです。良い時が来るのに備えておく、準備をしておくことが大切です」

●鳩山(堀 尚人校長)
2学期が終了しました
「、鳩山高校での3年間は他のどんなものにも代えがたい大切なものであると言うことです。鳩山高校での3年間は皆さんを大きく成長させます。いろいろ思うようにいかないことも多いかと思いますが、その経験が皆さんをたくましく大きくさせます。しかし、ただ在籍していれば卒業できるわけではありません。きちんと授業に出て、課題等の提出物を出し、試験ができないといけません。そこのところもしっかりとやってもらいたいと思います」

●羽生第一(相模幸之校長)
第2学期終業式
「。この 1 年で、いろいろな人に出会ったり、いろいろな経験をしたり、それぞれに思い出があるのではないかと思います。また、精一杯頑張ったことや自分の中で成長した部分などもあるのではないでしょうか。反省点や課題、そして来年の目標に繋がるようなことなども含めて、この年末年始に今年1年の自分自身のことを振り返り、心の中で整理してみましょう」

●与野(鈴木 健校長)
終業式・プチ史跡巡り(31)上野~湯島へ
「神社に参拝する人は、何千人、何万人といます。その人たちみんなからお願いされても、神様も手が回りません。特に、自分で頑張る気がない人の面倒までは見られないでしょう。でも自分で頑張る人のことはきっと見守ってくれると思います」

●和光国際(鈴木啓修校長)
第2学期終業式校長講話
「誰もが注目する表舞台だけがリーダーの活躍の場ではなく、世界中のどこかで今、自分のいる場所を照らしていく。それこそが真のグローバルリーダーであり世界の宝であると私は思うのです」

●蕨(山本康義校長)
12月全校集会 校長講話
「以上、高山さんの講演の中で、私が皆さんに伝えたいと感じた3点をお話ししました。いよいよ冬休みです。高山さんの指摘にもありましたが、冬休みは物事を深く考える、また、考えるだけでなく行動に移す絶好の機会でもあります。くれぐれも健康に気を付けて、充実した冬休みを過ごしてください。年明けの最初は土曜授業。1月6日です」
 注:高山範理氏(蕨高校卒、森林総合研究所)

 これ以外にも日々発信するニュースの中で校長講話に触れている学校はあるが、今回は原則全文を読めるものだけ取り上げた。