退職代行サービスというのがあるのは皆さんご存知だろう。
代行業や代行サービス自体は目新しいものではない。
運転代行など利用した経験のある方は多いだろう。
私は会社を始めてからしばらく「秘書代行サービス」を利用していた。
主たるサービスは電話取り次ぎだ。
いつかかってくるか分からない電話のために従業員を雇うわけにはいかない。
と言って、電話に誰も出ない会社も困る。
そこで依頼したのが「秘書代行サービス」
外出する時は、サービス会社に電話を転送しておく。
サービス会社は「株式会社○○です」と言って電話に出てくれる。
ただの電話番と異なるのは重要度などをある程度判断し、適切に応対してくれることだ。
急ぎの案件のときは、すぐに私の携帯に連絡してくれる。
長く利用したが、サービス会社自体が廃業してしまった。
その後は他社サービスに切り替えることなく今日に至っている。
そもそも会社の固定電話にかけてくる人がいなくなったのだ。
多くの連絡はメールで来るようになった。
一度会った人は携帯電話にかけてくるし。
かくして電話取り次ぎを中心とした「秘書代行サービス」は時代的な役割を終えた。
◆退職代行を使って退職代行会社を辞める
今はもてはやされている退職代行サービスであるが、次々に同業が現れ、競争が激化し、立ち行かなくなる会社が出てくるだろう。
退職代行会社を使って退職代行会社を辞める人が出てくるのは時間の問題だ。
ただ、人がアクション(行動)を起こさない限り成立しない業務であるから、この手の代行業はなくならないだろう。
AIに代行してもらうわけには行かないのだ。
◆転職はクセになる
採用に関わる業務を経験したことがあり、履歴書もたくさん見てきた。
そこで分かったことは転職はクセになるということだ。
応募者の履歴を見ると、数か月単位、あるいは1、2年で次々に会社を変わっている人がいる。
人生で少なくとも三回は転職している私は、転職そのものが悪いとは思わないが、だとしても1年で2、3社はさすがにまずいだろう。
こういうのは書類選考でアウト。どうせすぐやめる人間を面接に呼ぶのは時間の無駄。
どうやら転職はクセになるようだ。
一度やったらやめられない。
(つまり、やめることをやめられない)
ということは、退職代行利用者はリピーターになる可能性が高い。
いったん利用した人はリピーターとしてマークされると思ったほうがいいだろう。
◆企業サイドにもサービスを提供
退職代行会社は、退職代行サービス利用者に転職支援サービスを提供するという手もある。
辞めた人の一部は次の仕事が見つかっていない可能性があるからだ。
そうやって次の仕事を見つける手伝いをしてやっても、彼らはまたすぐやめるから再び退職代行・・・
これを繰り返す。
また、転職代行で得た知見を生かし、企業サイドに退職防止サービスを提供することも可能だ。
個人から1万、2万のサービス利用料を取るより利益は大きいかもしれない。
いずれにしても、自分では言いにくいから代わりに「やめます」と言ってあげるだけのサービスだけでは続かないことはみんな分かっている。
はたしてどんな方向に行くのか。
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