昨日は学校説明会の企画・運営等に生徒(在校生)が関わることのメリット・デメリットについて書いた。
 以前はそのような形をとる学校が少なかった。
 つまりは稀少価値があったわけで、生徒が出てきただけで評価が上がった。
 たとえ、どんなに稚拙であっても「一生懸命やっている」だけで好感度が上がった。

 だが、急速に増え、珍しくなくなった。
 「先週行った学校も司会は生徒だったよね」となるわけだ。
 比較の対象が先生であれば、「生徒の司会もいいもんだね」となるが、今度は生徒同士の比較となる。
 「こっちの学校の方が(向こうの学校の方が)上手だね」と比べられる。
 先生方は、生徒たちをこういう場面に引っ張り出してきてるんだという自覚を持たなければならない。
 今はまだそこまで普及していないが、今後、広まれば広まるほど、優劣が問われることになるだろう。

◆母校(中学校)訪問という名の営業活動
 母校訪問(中学校訪問)を行事化(イベント化)している高校がある。
 悪くはない。

 まず参加する高校生自身が嬉しい。
 お洒落な制服を着て、メイクも決めて、母校である中学校を訪ねる。
 まだ卒業して半年やそこらだが本人すっかり大人になった気分。
 担任や顧問に会いたい。
 できれば後輩にも会いたい。

 中学校の先生だって卒業生が来てくれるのは嬉しい。
 クソ忙しい中、業者や高校の先生には会いたくないが、教え子は別だ。
 で、ここに目をつけて、卒業生にパンフを持って行かせる。

 先生たちは中学校訪問を嫌がる。
 「営業が嫌だから教員になったのに何だよ」と、ブツブツ言いながらただ黙ってパンフを届ける。
 その点、生徒たちは喜んで行ってくれる。
 かれらの力を借りない手はない。

 生徒も嫌々行っているわけではないし、中学校の先生からも迷惑がられてはいないようなので、中学校訪問自体は続けていい。
 生徒を使った営業活動に見えなくもないが、学校監督下の教育活動の一環であるから、しっかりマナーを教え、安全に十分配慮し、中学校側とも連絡を取り合って実施しよう。