学校閉庁日で学校発信のニュースが拾えない。
 そこでやむなくネットニュースに頼る
 何かないか。

 あった。

 この日本語面白い
 「卒業証書を約19.2秒ほど見せた」(田久保真紀・伊東市長)

 これはご存知の通り、田久保市長がニセ卒業証書を市議会議長に見せた時間だ。
 普通に考えれば「約」と「ほど」は重複表現なのでどっちか一つでいいだろう。
 
 が、それよりも「19.2秒」だ。
 「約」で「19.2秒」ということは実際には100分の1秒か1000分の1秒、もしくはそれ以上まで計測したわけだ。
 たとえば「19.2456秒」とか。
 しかし、これでは細かすぎるので四捨五入して「約19.2秒」。
 「約」の使い方は通常これ。

 だがここまで来たら、田久保市長には「約」とまとめないで少なくとも100分の1秒単位まで発表してほしい。
 もしも「19.26秒」なのに「約19.2秒」としていたなら、「四捨五入すれば19.3秒だろう。1秒さばを読んでるじゃないか」と追及しよう。
 たぶん市長は「四捨五入すればそうだが、切り捨てしたのだ」と反論するだろうが。
 
 それにしても、この市長、なかなかしたたかである。
 本人が辞職しないなら議会で不信任決議をすればいいのだが、「3分の2以上の出席で4分の3以上の賛成」が必要で結構ハードルが高い。
 さらに、仮に可決したとして、市長は失職するか議会を解散するかを選べる。
 市長側からすれば「不信任決議を出してもいいが、そっちが議員資格を失うかもしれないよ」というわけだ。
 また、出直し市長選にせよ市議会議員選挙にせよ費用は数千万円かかるわけだから市民の納得を得られるかどうかという問題もある。

 もう一つ。
 地方自治法に基づくリコールという手もある。
 だが、市長選挙は今年の5月にあったばかりだ。
 在職1年以上経たないとりコール、解職請求による住民投票で失職させるという手は使えない。

 だから、屁理屈をこねてできるだけ引き延ばす。
 そうすれば、そのうちみんなも忘れるだろう。
 と、そんなところではないかと想像する。

 この方の職業遍歴を見る限り、仕事に対しそれほど強いこだわりはないように思える。
 1期とちょっと市議会議員をやり、その流れで1期だけ市長をやり退職金をもらったら、また別の仕事を探すかという程度で政治家には固執していないように見える。
 次は県政とか次は国政と考えていれば選挙民の意向が気にかかるが、それはないのだろう。そこもまた強さの原動力だ。