6月に入って公立8校の塾説明会に参加したが、今日は久しぶりの私立塾説。
花咲徳栄高校へ。
参加予定は150人というから公立とはケタが違う。
もっとも県内私立高校であれば、このくらいの人数は特に珍しくはない。
今週はこの後、埼玉栄、大宮開成、浦和学院など名の知られた大規模校の塾説が予定されているが200人超えもあるのではないか。
これだけのお客を迎えるとなれば、とてもじゃないが公立のように管理職だけで対応というわけには行かず、運営にはそれなりの人数を揃えなければならない。
◆国家資格を武器に未来を拓く食育実践科
花咲徳栄高校は県内私立には珍しく普通科と専門学科との併置校である。
かつては県内私立にも商業科、家政科、食物科といった職業系の専門学科があったが、次々に廃止され、残っているのはここの食育実践科と、浦和実業の商業科くらいだ。
食育実践科は厚生労働省が認可した調理師養成施設でもあるため卒業時に調理師免許が取得できる。
調理師免許は業務独占資格ではないから、これがなくても飲食店での調理業務の担当できるが、法律に基づく国家資格なので持っていて損はない。いや、損はないどころか得ばかりだ。
専門学科に行くと、大学進学の道が閉ざされ進路の幅が狭まるのではないかと心配する人もいるが、3~4割は四年制大学に進学しているし、就職の方は超売り手市場で選び放題。「進路が狭まるって、一体どこ見て言ってるのよ」というのが学校側の主張だ。私もそう思う。ホテルやレストランに就職して料理人になるのが王道かもしれんが、警察官や消防士、なんなら自衛隊だっていい。食に関する専門技術や国家資格が生きるのに邪魔、なんてわけねえだろう。
◆「選抜」が多すぎる
今春の選抜高校野球大会ではベスト8に進出した。関東大会はライバル浦和学院の後塵を拝したが、夏に強い花咲なので期待しよう。
それはそうと、この学校、そろそろコース名の変え時ではないか。
コースは大きく二層構造になっている。
●アルファコース=上位層
●アドバンスコース=標準~中上位層
アルファに対してベータなら序列は分かりやすい。
また、アドバンス(上級)に対してベーシック(基礎)なら序列は分かりやすい。
しかし、アルファとアドバンスは意味合いの異なる二つの言葉であるから、序列がつけにくい。と言うか、アドバンスの方が上位であると言われても特に違和感はない。
想像するに、学校側としては、「下位感」を避けようと思ったのだろう。アルファとベータでは普通に考えてアルファが上で、ベータが下。そこで下位イメージを払拭するため、上級を意味するアドバンスを持って来た。受験生に対する配慮としてはこれでもいいが、マーケティング戦略的には分かりにくくなった。
この二層構造はさらに細分される。
まずアルファコース。上から順に。
理数選抜
特別選抜
文理選抜
次にアドバンスコース。同じく上から順に。
選抜進学
特別進学
総合進学
漢字4文字で統一。
これはいい。
アルファコースにはすべて「選抜」の文字が入る。
アドバンスコースにはすべて「進学」の文字が入る。
このあたりは規則性がある。
だが、アドバンスコースの最上位に「選抜進学」がある。アルファ専用であるはずの「選抜」がここに入って来るので分かりにくくなる。そして、アドバンス2番手の「特別進学」に対し、アルファ2番手にも「特別選抜」がある。どっちの「特別」が本当の特別なのか、専門家も迷う。中学生だとほぼ分からない。
ネーミングの基本は差別化だが、ここでは似た言葉が多すぎて差別化が弱くなっている。
アルファの「理数選抜」と「文理選抜」は目指す方向は大体分かる。しかし「特別選抜」は名称だけでは目指す方向が分からない。また、「理数選抜」や「文理選抜」の上を行く最上位クラスと誤解される可能性もある。
地域的なことを考えれば、6クラス体制は募集戦略としてはあり得るだろう。
しかし、そのネーミングからは、学力ゾーンの違いなのか、進路目標の違いなのか、教育内容の違いなのかが判然としない。
たとえば、医進・国際・探究などと名付ければ特色は伝わる。だが、現行のクラスでは特色が伝わるのは「理数選抜」だけ。「文理選抜」はぎりぎり。
もちろん、学校説明を聞けば、それぞれの違いはよく分かるのだが、パンフレットやホームページを見ただけでは、中学生には理解しづらいだろう。
前述したように、学校側は「下位コース感」を出したくなかったのだろう。
序列型から脱却しようとしたのだろう。
前向きな言葉で統一した点は、受験生への配慮としては理解できるし、評価できる。
だがその反面、「違いが分からない」という別の問題が発生している。序列を強く打ち出さないよう配慮した結果、各クラスの位置づけや特色まで見えにくくなってしまっている。
現状、生徒募集は順調に推移しており、理数選抜を中心に大学進学結果も出ている。スポーツ・文化活動での成果は言うまでもない。だからあわてる必要はないのだが、上手く行っている時こそ変え時だと言えるだろう。

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