夏休みを終え、埼玉県公私立高校は、秋の文化祭シーズンに入る。
 今週末にはトップを切って、川口市立・川口北・熊谷西・坂戸・蕨・開智未来(私立)の文化祭が行われる。
 ところで、今回私は、一般公開日が1日の学校と2日の学校がある点に注目してみた。
 どこかにこの手の統計はあるのだろうか。
 おそらく無い。
 では、例によって自分で調べるしかない。

◆私立は9割が2日公開、公立は3割
 とりあえず9月実施の学校をピックアップ。
 普通科の学校はだいたいこの間に実施する。
 就職希望者の多い専門高校の場合、就職試験期を避けるため10月以降となる学校が多い。

 今回、私の調べでは、9月期の実施校は119校ある。
 1日公開校は65校。
 それに対し2日公開校は54校。
 大きくは違わない。
 だが、公私で分けてみると、面白いことに気づく。

 1日公開校65校のうち、61校は公立であり、私立は4校だけだ(浦和学院・浦和実業・浦和麗明・正智深谷)。
 一方、2日公開校は、公立28校、私立26校。

 つまり、公立は1日公開が主流、私立は2日公開が主流。
 さて、この違いはどこからくるか。

◆私立は募集広報の視点も
 文化祭は学校行事であり、教育活動の一環である。
 これは公立、私立も変わらない。

 ただ、私立にとって文化祭は教育活動であると同時に、年間最大級の学校公開イベントでもある。
 時期は9月。中学3年生は志望校を絞り込む時期である。また、中学1・2年生を早い段階で学校に呼び込む絶好の機会でもある。土曜日しか来られない家庭もあれば、日曜日しか来られない家庭もある。ならば両日開けた方が接触できる人数は当然増える。私立が2日公開を選びやすい最大の理由は、ここにあるように思われる。

◆文化祭の教育的意義
 公立の多くが1日公開であるのは、文化祭の教育的な意義をより重視しているからだろう。
 もちろん、2日公開の学校が非教育的だと言っているのではない。2日公開には、浦和・浦和一女・浦和西・大宮・川越・川越女子・川口北・熊谷・所沢・蕨・市立浦和・浦和南など錚々たる顔ぶれが並ぶわけだから、これらの学校が非教育的であるわけがない。

 一般客が入れば、生徒は純粋な参加者ではいられなくなる。受付、誘導、警備、案内、販売など、「迎える側」の役割も負う。また、教員も来場者対応や安全管理に相当な神経を使う。
 だから、1日目は校内だけで実施し、生徒同士で企画を見たり発表したりする。保護者や中学生、地域住民などを招くのは2日目だけ。元々、公立の場合、文化祭を募集イベントとして設計しているわけではないから、こうした考え方には十分合理性がある。
 
 生徒のための学校行事として1日は外部客を入れず、生徒だけで楽しませたいという明確な教育的意図があるなら、それはそれで立派な方針だ。
 一方、少子化が加速する中、中学生や保護者、地域住民に学校を知ってもらう重要な機会と位置づけるなら、2日公開という判断も合理的である。

 こちらの記事をご覧いただければ、9月実施の文化祭日程が分かる。

 2026埼玉県公私立高校文化祭(秋シーズン)ポスターコレクション