某公立高校の先生から直接伺った話を紹介しよう。
 割と最近の話だ。

 学校説明会後の個別相談の際、保護者から次のような質問があったという。
 「中学校の先生から、集団面接は「早押しクイズ」と一緒だから、質問には最初に答えた人の勝ちと言われましたが、そんなことないですよね」。
 相談に当たった先生も驚いただろうが、それを聞いた私もびっくりした。
 当該高校は、説明会の中で、「本校の面接は、『面接官側からあなたの長所を引き出す』ような面接だから、心配し過ぎないほうがいい。特別な準備は要らない」と言っているはずだ。(塾説の際、そのように言っていた)
 だから、保護者の方も「変だな、中学校の先生とは違うな」と思ったのだろう。
 それで個別相談の時に確認してみた。

 埼玉県内に400以上の中学校(公立)があって、先生も1万人以上いるから、中には、こういう冗談を言う人がいるかもしれない。
 入試の話で受けを狙ってはいけない。
 あるいは経験が浅く説明力不足で、「積極的に」「前向きに」を分からせるため、とっさに思いついたたとえ話が「早押しクイズ」だったのか。そのあたりはよく分からない。

 中学生の話は伝言ゲームで「先生→生徒→親」と伝わる中で、まったく違う話になってしまうのはよくあることだ。
 中学生は、先生の話した「前提条件」や「背景」を正確に理解していない場合がある。その際、生徒自身の解釈で穴埋めされる。また、中学生は印象に残った言葉だけを抜き出して親に伝える。今回の事例では「早押しクイズ」。
 親は親で、わが子を信じたい心理があり、学校や先生に対する先入観もあるから、基本わが子の話を事実として受け止めがちだ。
 かくして先生の意図と離れた、とんでも話が誕生する。

 というように私は解釈したわけである。

 今般の埼玉県公立高校入試改革では「全校で、全員に、面接を課す」のが最大のトピックスで、これに関しては県教委も、実にていねいに、細かく情報発信している。
 ただ、それが逆に受験生へのプレッシャーになっているというのが私の個人的見解だが、それはさておき、どこをどう突っついてみても「早押しクイズ」などと発想は出てくるはずがないのだが、そんな話に惑わされた生徒や親が現にいたわけである。
 で、結論としては、やはり高校側が親子を相手に、対面で直接説明すること、あるいは個別相談で補足することがいかに重要かということだ。