埼玉県公立入試は、明日14日から2日間が志願先変更期間である。
学校選びは本来であれば校風、進学就職実績、部活、アクセスなど多面的な視点から考えるべきだろうが、ここから先は、それらはいったんおいて、倍率ということになるだろう。
現時点、つまり当初出願段階で定員割れの学校については別の記事で書いた。
2024埼玉県公立入試、現状定員割れ校は変更で1倍超えるか
結論としては、0.90倍台の後半の学校は志願先変更で1倍を超える可能性があるが、それ以下の学校は、過去のデータから見て、多少の増加はあるにしても1倍は超えないだろうということだ。
◆定員割れなら全員合格
1倍を超えなければ、つまり定員割れ状態で本番を迎えたとしたら、全員合格である。
定員に満たないにも関わらず不合格者を出すことを「定員内不合格」などというが、埼玉県において「定員内不合格」は出ていない。
ここではいちいち数字を挙げないが、昨年のデータを見てみれば、受検者全員が合格になっていることが分かる。
「基準点」だの「足切り点」だのと訳の分からないことをいう人が稀にいるが、埼玉県公立入試において、そのようなものは昔も今も存在しない。
どんなに点数が悪くても合格である。
うんと低い点数で入った場合、勉強について行けるかどうかの不安はあるが、どの学校も個別に指導するなど手厚く面倒みてくれる。あとは本人のやる気次第だ。
◆高倍率校はやや下がる
当初出願で非常に高倍率であった学校は、志願先変更によって倍率は下がるだろう。
非常に高い倍率というのを、ここでは1.5倍以上としてみる。
1.5倍とは3人に1人が不合格ということだ。
昨年度(令和5年度)入試では、1.5倍以上の学校が普通科では6校あったが、いずれも志願先変更を経て、倍率は若干だが低下した。
具体的に数字を挙げておこう。
浦和 1.67 → 1.55
大宮 1.50 → 1.44
越ヶ谷 1.52 → 1.43
市立浦和2.30 → 2.20
川口市立1.95 → 1.94
川口市立・スポーツ科学
1.60 → 1.55
まあ、下がるには下がったが、引き続き高倍率には変わりないといったところだ。
今年は1.5倍以上校は8校ある(普通科の場合)。
川口北(1.52)、川越(1.52)、所沢(1.51)、和光国際(1.50)、蕨(1.51)、市立川越(1.51)、市立浦和(1.82)、川口市立・スポーツ科学(1.61)。
募集定員が70人と少ない市立川越は大きく下がる可能性があるが、それ以外の学校は、下がっても0.1~0.2ポイントであるから、決して易しくなるということはない。
【現状、1.4倍台】
当初出願で1.4倍台の学校はどうか。
これは過去データから見ると、志願先変更を経ても1.4倍台にとどまる可能性が高い。
今年度は1.4倍台は今のところ9校ある。
浦和(1.46)、浦和西(1.45)、大宮(1.49)、春日部(1.48)、川口(1.40)、川越南(1.41)、越ヶ谷(1.44)、越谷南(1.43)、大宮北(1.40)。
川口と越谷南以外は、学校選択問題採用校である。これらを志望する生徒は学力的には最上位層に属するので、相応レベルの私立の合格をすでに確保している可能性が高く、そのままチャレンジするだろう。よって、一気に倍率が下がることは考えにくい。
【現状1.3倍台】
当初出願で1.3倍台は、昨年は7校(普通科の場合)あったが、いずれも志願先変更を経て倍率は下がった。
ただし、下がり幅はほんの僅かであった。
もっとも下がり幅が大きかったのは所沢北(1.35→1.31)で、あとは0.1ポイント程度しか下がっていなかった。
今年度は、浦和一女(1.38)、川越女子(1.32)、志木(1.37)、豊岡(1.33)、南稜(1.35)、不動岡(1.38)、与野(1.30)、浦和南(1.30)が該当する。
上位校ほど動きが少ない(下がらない)という過去の事例に照らせば、浦和一女、川越女子、不動岡あたりは動かないだろう。豊岡、志木は例年に比べ高めなので、やや敬遠され下がり幅が大きくなる可能性がある。
全校触れたいところだが時間の関係もあり、ここからは大まかな傾向のみの記述とする。
細かく紹介しないが、いずれも過去データに基づく。
1.20倍台校は下がることの方が多い。ただし、下がり幅はほんの僅かである。
1.10倍台校は上がる学校と下がる学校に分かれる。例年にくらべ高めの学校は下がり、例年にくらべ低めの学校は上がる。
1.00倍台校は上がる学校の方が多い。昨年度は25校中、下がったのは4校であった。ただ上がるにしても下がるにしても1.03が1.05に上がったとか、その逆とか、その程度であった。
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