文部科学省、今度は何を考えついたかと思えば、なんだ、こんなことか。
 周回遅れ。いや、3周か4周遅れているんじゃないか。

 同省は、産休・育休や病休などで欠員が生じた公立学校に、教員資格を持つ塾講師らを臨時教員として派遣するモデル事業を2026年度から開始する方向で検討に入った。

臨時教員に塾講師派遣 来年度、産休・育休の欠員対応―文科省(時事通信 8月10日)

 見出しとして刺激的なので「塾講師派遣」としているが、派遣するのは塾講師だけでなく、退職した元教員や、教員免許は所有しているが企業などで働いている人。
 退職した元教員を活用することは検討するも何も、すでに盛んに行われている。
 いわゆるペーパーティーチャーに採用試験を受けてもらおうという試みもすでに実施ずみ。

 目新しさと言えば、正規採用ではない臨時教員の供給システムを作ろうという点だろう。

 しかし、正規が集まらない時代に非正規が集まるかね。
 なんかポイントずれてないか。
 たしかに産休・育休や病休はずっと前から分かっているわけではなく需要は突然やってくる。
 現有勢力である程度までカバーは可能かもしれないが限度がある。
 そこで非正規(非常勤)に頼る。
 以前、教員希望者が多かった時代は、正式採用に至らず次年度に捲土重来を期す予備軍が大勢いた。しかし、受験者の大半が試験に合格し正式採用されてしまう現在、突然の需要に応えてくれる予備軍がほとんどいなくなった。

 現状、以上のような状態だと考えられるが、では、この新たな施策によって、非正規臨時職員の不足が解消されるだろうか。
 ちょっと難しいだろう。

 人手不足が緊急課題であることは分かる。
 だが根本的な問題は正規が集まらないというところから来ている。
 その解決策を考えるのが先決で、非正規を集める方法はその後に考えるべき問題だろう。