大方の予想どおり夏の甲子園全国大会は中止となった。新型コロナ感染状況、ではなく、今の世の中の空気からすればこれ以外の決定は考えにくい。
 今私たちは、コロナと戦っているのではない。こちらはもう終戦だ。世の中の空気と戦っているのだ。
 もちろん本気でコロナと戦っている人々はいる。医療の現場では今も命を守るための戦は続いているだろう。
 だが、それ以外は空気との戦い。つまり、真のコロナではなく、エア・コロナとの戦いだ。

 今日、浦和コルソという商業テナントに行ったら、入り口に関所が設けられていた。
 「マスクを着けざる者、通るべからず」という立て札が立てられていた。
 なるほど。マスクが通行手形の代わりとなるわけだな。
 まあ埼玉県民は、東京に入るにも手形を求められている下級民であるから、これは慣れておる。

 入口に制服を身にまとった番人が立っていた。
 かれらの役目は、通行人たちに謎の液体を吹きかけることだ。
 どうやら揮発性の消毒液であるようだ。殺虫剤ではないようなので安心した。それにしてもどこで手に入れた。
 中には、額に不思議な道具を当てられている通行人もいた。多くは女性である。やはり、入鉄砲出女は警戒されるのだ。

 うーん、それにしても、しばらくはここを通るたびに関所ごっごしなければならないのか。
 が、そこは大人すらとうの昔に卒業した超大人であるから、マスク越しに「ご苦労様」、「ありがとう」と言いつつ、笑いを堪えて通り過ぎるのである。
 
 

浦和の関

 ぼちぼち学校が再開され、来月には本格再開となろう。
 そして学校では(塾もそうだが)、エア・コロナとの戦いが始まる。

 先般、28歳の糖尿病持ちの力士が亡くなられたが、これがわが国におけるコロナ死亡者最年少。
 ということで、小中高生は「対コロナ最強軍団」であるから、こちらはあまり心配ない。

 エア・コロナとの戦いおいては、ヴィジュアルが重要である
 どこまで実効性があるかなど議論する必要はない。だいいち、そんなこと素人には分からん。
 重要なのは見た目だ。
 何となく効いていそうな空気を醸し出す。
 エアにはエアで対抗するのだ

 実はこれまでも多くはエア・コロナとの戦いであったが、一部、真のコロナとの戦いもあり、二正面作戦とならざるを得なかった。
 だが、これからは対エア・コロナ戦一本に絞れる。
 先生方の武運を祈る。