お盆前に墓の掃除に行って来た。今のところ父母だけだが、もう少しすると私もここで眠ることになるのできれいにしておくのだ。
 浦和東霊園というところで、すぐそばに見沼代用水東縁が流れる。用水沿いの道は若いころからランニングコースにしている。死んだあとはたぶん暇だと思うので、時々墓から抜け出して走ろうと思う。
 教員時代、川口北高校に勤めていたが校歌の歌い出しは「見沼の水の滔々(とうとう)と、大地を開き流れゆく」というものだ。見沼には縁がある。

 その昔、菩提寺(ぼだいじ)というものがあった。先祖代々の墓がある寺のことだが、核家族化が進んだ今日、都会では菩提寺と檀家という関係は消滅しつつある。
 佐賀県出身である死んだ親父が、うちの田舎は浄土真宗だったと言うので、以来わが家の宗派は浄土真宗ということになっている。

 浦和東霊園を運営するのは妙宣寺という日蓮宗の寺院であるである。「南無妙法蓮華経」だ。そこに「南無阿弥陀仏」の浄土真宗の墓を建てるのは菩提寺・檀家の時代ではあり得ないが、今はそれでいいのである。

 余談だが、阪神タイガースに梅野隆太郎、東京ヤクルトスワローズに梅野雄吾という選手がいるが、私は聞かなくても出身地は九州だと分かったよ。阪神・梅野は福岡県、ヤクルト・梅野は佐賀県。梅野はみんな九州で間違いない。

 死んだ親父の佐賀県愛はものすごくて、歌手では唐津市出身の村田英雄が大好きだった。今なら神崎出身の江頭2:50を応援しても良いところだが、お笑い方面にはほとんど興味がない人だった。
 若い時に東京に出てきてからも本籍地はずっと生まれ故郷の佐賀県に置いていた。
 佐賀県神崎郡大字脊振村字服巻。
 今は本籍地を書かされることはあまりないが、昔は結構あって、私は子供心に「服巻(はらまき)」というのが「腹巻」みたいで恥ずかしかった。

 墓掃除の話から死んだ親父の話になった。待ってな、もうじき行くから。