新聞取材のため本庄東高校に行って来た。校名に東西南北が付くと何となく公立っぽいが戦後生まれの私立校である。

 浦和・大宮方面から高崎線を下って行くと、熊谷から先は籠原・深谷・岡部・本庄の順で、大宮から約1時間。本庄の次は神保原で、ここまでが埼玉県。その次の新町はもう群馬県で、倉賀野、高崎と続く。
 高崎までは20分程度だから、この辺の人達は、ちょっとお買い物とか、遊びに行こうぜの場合、高崎を目指すのかもしれない。
 というようなロケーションであるから、この学校、在校生の2~3割は群馬県民である。
 
 今回の取材テーマは進学指導と進学実績であるが、これがなかなかよろしい。というか、だから取材先に選んだのであるが、今春は東大に2人合格している。これで8年連続。学校側は「人数が少ないですから」と控えめだが、5年以上連続している私立校は開智と栄東、それとちょっと前までの西武文理、この3校ぐらいでしょう。公立だって浦和・大宮など5校程度だから、途切れないのは立派。

 進学校でありながら、部活も相当盛んで、たとえば女子陸上部は2016年に全国高校駅伝に出場している。
 進学校と言われる学校にもいろいろなタイプがあるが、ここは、部活はほどほどにではなく、部活でも結果を残そうというタイプだ。
 講演会や大学見学、補習や補講など進路意識を高め学力向上を目指すさまざまな取り組みを総称して「東大プロジェクト」と呼んでるが、その一方に「甲子園プロジェクト」があり、部活の全国出場も積極的に支援する。

 周辺に競合校が少ないため、学力上位層は集めやすいと言えるが、なにせ地元・本庄市は人口僅か7万8千人の小都市だ。市内生だけ生徒数を維持するのは不可能だから、群馬県藤岡や伊勢崎あたりまでスクールバスを出さなければならない。都市部の学校にはない苦労がある。

 昨年、この学校には授業を見学しに来たが、若手・中堅の先生たちを中心に授業改善への意欲は高いとみた。
 進学や部活での実績の割に知名度が低いと感じるのは、私の仕事や生活の拠点が浦和にあるせいかもしれないが、もう少し全県的な評価が高まってもいいだろう。