本日、塾の先生方向け。よく大企業と中小企業という言い方をするが、これには一応法律上の定義がある。中小企業基本法によれば、サービス業の場合、資本金5000万円以下、従業員100人以下を中小企業とし、それ以下(従業員5人以下)を小規模企業者としている。 
 しかし、これはあくまでもこの法律における定義である。われわれはふだん、明確な数字的根拠なしに大企業とか一流企業とか有名企業とか、適当に言っている。

 塾業界では大手塾という言い方があるが、どこまでを大手と呼ぶかは人によってまちまちだ。
 資本金なのか、売上高なのか、社員・従業員数なのか、教室数なのか、塾生数なのか。あるいは株式上場しているか否か、全国展開しているか否か。
 ただし、どこかに定義はあって、それを私が知らないだけかもしれないので、ご存知の方がいたらぜひご教示いただきたい。

 大手塾と呼ばれる塾があるとすれば、その一方に中小塾と呼ばれる塾もある。
 これまた定義はないが、自宅の一部が教室になっているとか、先生は自分以外全員大学生アルバイトとか、教室は1教室で塾生は50人とか100人程度の、とにかく「小っちゃい塾」を言う。
 法人化されてない場合もあるし、形式上は株式会社となっているが実質個人事業みたいな形が多いだろう。

 で、前置きが長くなったが、私は「小さい(小っちゃい)塾」という言い方を止めようと思っている。
 じゃあ、何て呼ぶのという話だが、「個人塾」でもいいが、「オーナー塾」なんていうのはどうだ。料理店なんかで「オーナーシェフ」の店とか言うじゃないか、あれだよ。店の持ち主であって、経営者であって、料理長である「オーナーシェフ」。
 それと同じで、自分の金で塾を開いて、自分の才覚で経営して、自分が主任教員として授業を教えている。そういう塾だから「オーナー塾」。

 草創期は「オーナー塾」であっても、次第に教室が増え大手塾と呼ばれるようになる場合もあるが、直接生徒に教えるということに対するこだわりから「オーナー塾」を貫く場合もある。それはどちらでもいい。
 スタバやドトールの存在は有難いが、オーナー自ら豆を挽く喫茶店も嬉しいものだ。スシローもいいが、寿司職人の握りも食ってみたい。チェーンの居酒屋も便利だが、オーナーがシェーカーを振るバーも乙なものだ。
 で、ここが肝心なところだが、こうした場合われわれは店を大中小で選んでいるわけではない。雰囲気なのか、メニューなのか、味なのか、サービスなのか、はたまた懐具合なのか、それは人それぞれだが、とにかく大中小ではない。

 お客が大中小で選んでいないとすれば、店側も大中小という区分、というか発想を捨てなければならない。小さいから来ましたというお客はいないのだ。

 私は「小さい」という単語と訣別する。
 時々、私にメールを寄こしたり、自己紹介するときに、「〇〇という小さな塾をやっています」とか言う人がいるが、今後は受け付けないぞ。大中小なんていうのは何も言ってないのと同じだ。「〇〇という大手塾に勤めてます」と名乗るやつはいないのに、何で「小さい」だけ言うのよ。
 「オーナーです」「経営しています」で十分だし、その方がカッコいいし、説得力がある。