緊急事態宣言が出ているのに、年寄りが出歩いている。街に出るとジジイとババアばかりだ。一体何を考えているのだ。
 という、若者からの不満の声が聞こえるが、その答えは「これが高齢化社会というものだから」である。

 日本の総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は28.4%である(3.588万人)。
 それに対し、15歳~64歳(いわゆる生産年齢人口)は7.505万人で、59.5%である。
 ついでに15歳未満は1.524万人で12.1%だ。
 10人集まれば、6人が若者・大人で、3人がジジババ、1人が子供という構成だ。

 そういう世の中で、時と場所によってはジジババばかりなのは当たり前の話だ。
 別に若者だけが不要不急の外出を避け自粛生活を守っていて、ジジババが呑気に出歩いているわけではあるまい。
 各年齢層が普通に表に出れば、ジジババが目立つ。
 そういう国なのだ。
 そしてこの傾向は、さらに、確実に、加速する。

 一口に高齢者というが、特にこれといった持病もなく、丈夫な高齢者というのがいる。
 この連中は強いぞ。
 何しろ若い時からいろんなウィルスに感染してきてるからな。
 抗体のデパートだ。

 自慢じゃないが不潔にも慣れてる。
 昭和の、特に東京五輪(前回)前の東京は酷いものだった。
 今の感覚なら到底口に出来ないようなものを平気で食ってた。
 というか、それしか食う物がなかった。
 むろん年齢と共に全般的に体力が低下しているのは事実だが、出歩いているジジババは案外強いのだ。
 
 もしこのような元気なジジババも家に籠っていろということになったら、途端に歩けなくなる。
 外に出ない。人と会わない。
 これが老化に拍車をかけるのだ。
 それとも、今以上に介護負担を増やしたいのか。

 子供は、学校があるから外に出る。
 若者は、仕事があるから外に出る。
 年寄りは、やることないから外に出る。

 ほら、ちゃんと理由があるじゃないか。

 まあ、そうは言うものの、コロナがあろうがなかろうが冬場は外出をセーブしたほうがいい。
 普通の風邪やインフルエンザに罹って医者に行けば、本人痛くもかゆくもないが、結局は若者に医療費負担を強いることになる。
 春まで待とう。