こんなことまでニュースにされたんじゃたまらんなという話。

 高校生が次々に自殺する映画、教諭「息抜きのつもりで」授業中に鑑賞させる(読売新聞オンライン)

 が、それにしても見出しの付け方が上手い。
 「息抜きのつもり」で授業中に映画鑑賞では、それがどうしたという話だが、高校生が次々に「自殺」する映画とくれば、放ってはおけない気分となり、つい読まされてしまう。

 記事によると。
 1 山口県立柳井商工の60代教員が授業に関係ない映画を見せた。
 2 建築・電子科建築科コース2年の「製図」の授業中だった。

 なるほど。たしかに授業とは関係なさそうだ。
 だが、授業と関係有る無しの判断は難しい。
 この事案では、先生自身も授業とは無関係と認めているふしがあるが、有る無しの判定は誰がするのか。

 3 (教諭は)自身が登録している動画サイトを通じて約1時間半にわたって映画を上映した。

 登録しているとあるからYouTubeみたいな無料動画じゃなく、HuluとかAmazonプライムビデオとかNetflixみたいな有料動画か。
 個人鑑賞が想定されているものを、学校の授業中とは言え多数に見せていいのか。
 このあたり、法律上の問題も出てきそうだが、よく分からない。

 4 映画は高校生が次々に自殺していく内容だった。

 自殺は自殺を誘発すると言われているし、ここはちょっと配慮が足りなかったかもしれない。
 が、どんな映画なのか内容までは分からないので何とも言えない。
 主要なテーマはそこじゃないかもしれない。

 それに、こういうことを言っていると、戦争の場面があったとか、殺人の場面があったとか、暴力の場面があったとか、切りがない。
 芥川龍之介も太宰治も川端康成も三島由紀夫も国語で扱えなくなるぞ。

 5 (教諭は)一部の生徒から要望があり、息抜きのつもりで見せた、と述べた。
 
 「先生、期末も終わったんだし映画見せてよ」
 そのぐらいのことは生徒は言ってくるだろう。
 私ぐらいのパワハラ教師になると、「うるせえ。テメエらの指図は受けねえ」と撥ねつけられるに決まっているから生徒は何も言ってこないが、割と生徒の要望をきくタイプの先生のようだ。

 「息抜き」はあっていいと思うよ。たまには。
 特に学期末、学年末の消化試合みたいな授業では、教える方も教わる方も気合が入らないから、映画も一つの選択肢だ。

 6 校長は「授業に関係のない教材を扱うのは適切ではない。再発防止に努める」とコメントした。

 「授業に関係のない教材を扱うのは適切ではない」、って、そこまで言ってしまって大丈夫か。
 下手したら、授業中のちょっとした雑談やジョークまで槍玉に上がるぞ。
 「〇〇先生は授業中、教科書とは全然関係のない話をしました」と文句を言われる。
 そうなったら、先生もやりにくいが、生徒も面白くないだろう。

 「再発防止に努める」
 はて、何を防止するのか。
 映画を見せること?
 著作権侵害すること?
 自殺を扱うこと?
 一部の生徒の要望を聞くこと?
 授業に息抜きを入れること?

 何か、とりあえず謝罪しとけみたいな態度だね。

 7 (この件は)、保護者が県教委に指摘して発覚した。

 ここですよ。
 小学生ぐらいだったら親が出てくるのも分かるが、高校2年生でしょ。
 おかしいなと思ったら、先生に直接言いなさい。
 それが言いにくかったら担任でもいいし、他の先生でもいい。

 親も親だ。
 県教委の前に、校長だろう。
 それこそ担任でもいい。
 というか、子供に対し「文句があるなら自分で先生に言いなさい」で済む話だ。
 いじめでもなければ、差別でもない、セクハラでもないから、それで十分。

 でも、この親はあえて問題化したかったんだろう。
 だから、校長すっ飛ばしで県教委。
 県教委の方も、そう来たら知らんぷりはできないから、校長に調査をしろと指示を出さざるを得ない。
 で、校長も県教委からの命令じゃ無視できないから、本人呼んで「以後、気をつけなさい」と口頭注意。

 まあ、上司からの注意なんて日常茶飯なわけだし、この程度では処分の対象にはならないから、これで終了。
 なんだが、親はそれで済まされてはつまらないから、マスコミにも連絡を入れた。
 マスコミは、「自殺」というワードに飛びついて記事にした。
 と、こんなところかな。