こんな当たり前の結論出すのにどんだけ時間使ってんのよ、という話。
 大学入試のあり方を検討している文科省有識者会議で、大学入試共通テストでの記述問題実施は現実的ではないとの意見が大勢を占めた。
 文科省はこれを受けて、今夏には最終決定する見通し。

 共通テストの記述式、断念濃厚 文科省の有識者会議(産経新聞)

 有識者会議が現実的ではないとしたのは、採点の正確性や公平性を担保するのが容易ではないからだ。
 最初から言われていたことだ。
 
 当初、短期間で大量の記述答案を処理するため採点は外注する計画だったが、それを受注したのがベネッセグループだったというので大騒ぎになった。
 2019年秋のことだ。
 その時に書いたブログ記事がコチラ。

 記述の採点はアルバイトに任せるしかないでしょう

 この時の私の結論。 
 「一次試験の段階で無理に記述なんか入れないで、どうしても書かせたかったら受験者を絞った二次試験の段階で必要に応じて入れればそれで済むじゃないか」
 それと、「共通テストに入れるより、選択問題ばかりの私立大学入試を何とかしたほうがいい」という話もどこかに書いたはずだが、見つからない。
 
 有識者会議での意見。
 「共通テストで一律に記述式を行う必要はない」
 「個別試験での出題を促す以外に選択肢はあり得ないのではないか」

 共通テストは受験者も多いし、いわば予選みたいな位置づけであるから、英語でスピーキングを入れるとか、記述・論述を入れるとか、いろいろ盛り込まないほうがいい。
 短時間に大量処理できるマークシート方式が最適に決まってるじゃないか。
 これは何も、私だけじゃなく多くの高校の先生も考えていたことだ。

 ただ、結論はそうであっても、慎重に審議しましたという体裁を整えるため、ある程度時間はかけなくてはならない。
 とりあえず大人の社会では、時間をかけた、何回も会議をやった、大勢の意見を聞いたというのが重要なのである。

 心配なのは、採点ミス問題が最近再びクローズアップされていることだ。
 国公立二次試験や私立大入試で記述を増やすのはいいが、採点ミスを減らすためにマークシート方式をといった意見が出てくる可能性がある。