ちょっと調べたいことがあって、今日はかなりの時間、YouTube動画を見ていた。さしあたりの疑問はほぼ解決した。YouTube動画は面白いだけじゃなくタメになる。
 さて、そんな中。ある言い方が耳に付いたので、今日はその話をしよう。

 「であったり、であったり」である。
 並列でものを言う場合、どうやらこの言い方が最近の流行りであるようだ。

 文章ではあまり目にしないので、主に口語表現(話し言葉)なのだろう。
 若者言葉と思いきや、年配者も結構使っている。少なくともYouTube動画の中ではそうだ。
 若者が大人言葉を真似ることはないが、大人が若者言葉を真似ることは多いので、この言い方も若者から流行ったのだろう。
 若者言葉の多くは、テレビで人気タレントなどが使ったものである。
 よって、「であったり、であったり」もタレントから若者へ、若者から年配者へと伝播したはずである。

 「お酒はよく飲む方です。決まったものはありません。ビールであったり、焼酎であったり、ワインであったり。その時の気分です」
 うん。こう書くとなかなか味のある言い方ではないか。

 少し前だったら、たぶん、このように言っていたのだろう。
 「お酒はよく飲む方です。決まったものはありません。ビールとか、焼酎とか、ワインとか。その時の気分です」

 「であったり」は「とか」の進化版である。
 というのが私的見解であるが、専門家ではないので自信はない。

 「とか」も現役で頑張っている。
 しかし、ある時、「ちょっと別の言い方で差をつけたい」と考えた人がいた。
 それを聞いた反応の早い人が、「おっ、これは使える」というわけで模倣した。
 そして、瞬く間に広まった。
 ある意味、ヒット作だ。
 平成の「とか」に対し、令和の「であったり」。

 ややダラダラした感じはある。
 切れがない。
 だが、言い切らない、断定しない、強く言わないという現代の風潮にはマッチしている。
 
 こうなったら、この波に乗らない手はない。
 先生たちも教室でどんどん使おう。
 いや、若い先生はもう使っているか?
 「織田信長であったり、豊臣秀吉であったり、徳川家康であったり」
 「太陽であったり、月であったり、地球であったり」
 「整数であったり、小数であったり、分数であったり」

 ただ、表現というのは、あまりにも繰り返しが多いと耳につくので、一連の会話であったり説明であったり、の中で使い過ぎないように注意しよう。