受験勉強、今から頑張れば間に合いますか?
 これ定番の質問。
 私が記事を書かせてもらっている「よみうり進学メディア」の編集部が読者からの質問などを受け付けているが、試験が近づいてくるとこの質問が増える。
 で、この質問に回答してくれというオーダーが繰り返し入るので、何度も何度も答える。
 このブログでもすでに書いている。

 答えは決まっている。
 「大丈夫、頑張れば今からでも間に合います」。
 その子の実力や志望校、それに残された時間を考えると、「どうかな?」とか、場合によっては「ちょっと無理そう」とか思っても、そう答える。
 間違っても、「どうかな?間に合うかもしれないけど、やり方次第では間に合わないかも」などと言ってはいけない。
 
 間に合うか間に合わないかは五分五分。
 やってみなければ分からない。
 これが実際のところなのだろうが、実は質問者の思いはここにはない。
 「間に合うよ」と背中を押して欲しいのだ。
 だから、「大丈夫」と力強く背中を押してあげるのが、この場合の正解。

 塾の先生方は、このへんはなかなか上手で、生徒がやる気を失わないように答えてくれる。
 だが、中学校の先生方は妙に慎重というか正直というか、「間に合わないかもしれない」などと言ってしまうこともあるようだ。
 もしかしたら「先生は間に合うと言ったのに間に合わなかったじゃないか」と後日クレームをつけられることを警戒しているのか。

 結局、中学校の先生が頼りにならないと言われるのは、このあたりの対応の仕方にもあるのかな。
 もちろん全員がそうだとは思わないが、相談事に応える際のセオリーをもう少し研究された方がいい。

 「先生、子供の命助かりますか?!」
 これって、可能性を聞いているわけじゃないね。
 お願いだから助かるって言って欲しい、そう言っている。
 だから、可能性を答えても意味はなく、「助かりますよ。絶対助けますよ」が正解。

 これは対子供だけじゃなく対大人でも同じだ。
 可能性を聞かれたら、「何言ってるんだ。間に合うに決まってんだろう」「ああして、こうして、でもってこうすれば、ほらな、間に合うじゃないか。さあ、やろうぜ」と答える。
 で、「なるほど、そう言えばそうだな。一丁やってみるか」となればしめたもので、三分七分が五分五分に、五分五分が七分三分にとなって、あら不思議、「出来ちゃった。間に合っちゃった」となる。
 
 この技は一生使えるみたいだよ。