8月29日、埼玉県教育委員会は、令和4年3月高校卒業者の進路状況調査の結果を発表した。
 <速報>であるから、全体の状況のみである。
 来年3月に確定値が発表されるので、学校ごとの状況などは、それを待つしかない。
 調査対象は、県内の国公立及び私立高校である。
 調査日は令和4年5月1日現在である。

 県発表の資料はコチラ。
 令和4年3月高等学校卒業者の進路状況調査(速報)

 主な内容は以下のとおり
(1)卒業者数
 総数は54.053人で、前年度より1.045人減少

(2)大学等進学率
 63.4%で、前年度より2.7ポイント上昇。
 調査開始以来最高値。

(3)就職者
 総数の割合は10.9%で、前年度より0.8ポイント低下。
 調査開始以来最低値。

◆大学進学関係まとめ
 調査で「大学等」となっているのは、短期大学や通信制などが含まれるためである。
 大学(学部)    32.130人(59.4%)
 短大(本科)     1.964人( 3.6%)
 その他(通信制など) 150人( 0.3%)
 以上のように、大学のみでは59.4%である。

 専修学校等は11.418人(21.1%)で前年度より1.7ポイント低下。
 就職は前述のとおり0.8ポイント低下であるから、合わせると2.5ポイント低下となり、その分大学等進学者の割合が増加した形となっている。

 公立と私立(いずれも全日制)の違いを見ておこう。
 (大学等)ではなく、(大学)で見てみる。
 公立 17.991人(50.8%)
 私立 14.342人(79.5%)
 
 公立は前年度48.2%から2.6ポイント上昇。
 私立は前年度75.9%から3.6ポイント上昇。
 
 公立も上昇しているが、私立はそれを上回る上昇率なので、その差は、さらに開いた形だ。
 ただし、私立はほぼ普通科なのに対し、公立は専門学科(農工商など)も含んだ数字である点に注意が必要だ。

 過年度卒(いわゆる浪人)の数字も出ている。
 現役及び浪人の大学等進学者数は次のとおり。
 現役  34.244人(94.6%)
 一浪  1.769人( 4.9%)
 二浪以上 203人( 0.6%)
 
 一浪は前年度より1.2ポイント、二浪は0.2ポイント低下しており、現役志向がさらに高まっている。

 大学等進学者の学系別構成比は次のとおり。
 人文     17.2%(0.1ポイント上昇)
 社会     33.0%(0.1ポイント低下)
 理・工・農  20.0%(0.1ポイント上昇)
 医・歯・保健 11.9%(1.0ポイント上昇)
 家政      3.9%(0.2ポイント低下)
 教育      8.3%(0.4ポイント低下)
 その他     5.7%(0.4ポイント低下)

 「人文」、「理・工・農」、「医・歯・保健」が上昇。
 「社会」「家政」、「教育」が低下。
 まとめれば、いわゆる理系が上昇している。
 「教育」の低下が気になるところだ。

 以上、速報値を元にした簡単なまとめである。