取材活動が続いていたが本日は講演。
 埼玉新聞社が主催する教育セミナーの一環として、県立杉戸高校職員研修会で講師を務めた。
 テーマは生徒募集である。

 すでに同校ホームページに今日の記事が掲載されている。
【5/18(木)の杉戸高校②】梅野弘之氏による職員研修会
 
◆2か月の前倒し
 最初、7月後半という依頼だった。
 が、今期の募集活動に生かすにはできるだけ早い方がいいだろうとなり、約2か月前倒しになった。

 このブログで何度も言っているように、生徒募集においては特に前半戦の戦い方が重要なのである。
 生徒募集の成功は「量の確保と質の向上」であると考えたとき、量の確保は後半での挽回も可能だが、質の向上は後半からでは間に合わない。

 早い時期に説明会を開いても人数が集まらないという理由から、敬遠する向きもあるが、生徒募集を量の側面からしか捉えていないのだろう。
 だがこの時期は、どこの学校でもそれほど多くは集まらないのだ。
 早い段階から高校選びのための活動を開始しているのは受験生の2割か3割しかいないからだ。
 母数が少ないのだからそんなに大勢が来るはずがない。

 ただし、質は高い。
 質が高いというのは学力が高いという意味もあるが、より重要なのは、早い時期から行動を起こしている生徒は、高校に入ってやりたいことが明確になっている可能性が高いということだ。志望動機がそこまではっきりしていなくても、目的を持って高校に入るべきだと考えている可能性が高い。

 あくまでも傾向にとどまるが、前半から動いている生徒は「入りたい学校」を目指し、後半になればなるほど「入れる学校」を目指す生徒が増えて来る。高校側から見れば「入りたい学校」として選択肢に加えて欲しいわけで、そのチャンスは後半戦より前半戦にある。

◆生徒たちはマナー抜群
 今日は明日からの中間考査に備え、半日授業だったようだ。
 東武動物公園駅から学校へ向かう途中、多くの生徒たちとすれ違った。

 服装については問題なし。
 スマホ見ながらの歩行はない。
 歩道からはみ出る生徒もなし。
 中に、何か食いながらの生徒も数名いたが、腹が減る年ごろだから大目にみよう。
 教科書を見ながら、試験の予想を立てているグループもあった。

 校門は道路から50mほど奥まったところにある。
 学校への一本道なので向かってくる人は100%来校者とみなすことができる。
 なので、生徒たちは一人の例外もなく「こんにちは」と挨拶する。
 お見事。

◆聞く練習が必要な先生たち
 今日の研修会は自由参加と聞いていたが、かなり多くの先生方が参加していた。
 集合状態もきわめて良く、予定時間前倒しで研修がスタートした。

 私の主な講演対象は、中学生、保護者、先生などだ。
 一番やりやすいのが保護者、特に母親。
 次が中学生で、先生方はちょっと苦手。

 インテリ相手なので細かな語句や事象の説明が要らず、その点は助かる。
 中学生や保護者相手だと、この言い方で通じるかと悩むことが多いがその必要がない。
 
 ただ、反応がない。
 反応があるという点では保護者、特に女性(お母さんたち)が一番で、表情や態度で分かりやすく反応してくれる。

 が、先生はほぼ無表情(に見える)。
 女性の先生はまだいいが、男性の先生は怒っている(ように見える)。
 たぶん自分もそうだったんだろうな。

 授業のときはそうじゃなく、もっと表情豊かだと思う。
 むしろオーバー気味にリアクションしたりしているはずだ。
 自分もそうだったと思う。

 じゃあ話を聞いていないのかというと、そんなことはない。
 ちゃんと聞いている。
 自分もそうだった。
 終了後に質問にきた先生がいたが、手元のメモには、よくぞ書き取ったと驚くほど細かな文字が並んでいた。このあたりはさすが先生と感心するところだ。

 話すことは得意中の得意。
 けれど、聞き手に回る経験が少ないのかな。
 置かれた環境や立場がそうさせるのだと思うが、これからの先生は、地域をはじめ外部との接触がますます増えるだろうから、優秀なスピーカーかつ優れたリスナーであることを目指してほしいと思う。

 と、呼ばれて行ったくせに文句をつけたような形になっているが、実際に行ってみれば安心して生徒をまかせられる学校だと分かる。
 6月15日に塾対象説明会がある(中学校の先生も可とある)。
 私立塾説のピーク時ではあるが、めったにない公立高校訪問の機会であるから、ぜひ活用してほしい。