令和6年度埼玉県高校入試、第1回進路希望状況調査の考察は続く。
あまり話題にならないが、この調査では私立高校希望者数も発表されている。
本日の話題はそこ。
まずは内部進学関係から。
カッコ内は昨年同期。
●私立中学校卒業予定者数 3151人(3282人)
●進学希望者 3110人(3254人)
●全日制希望者 3081人(3241人)
●県内私立希望者 3019人(3185人)
今回の調査では埼玉県内私立31校の生徒も対象になっている。
かれらは、基本的には系列の高校に内部進学するはずだが、卒業予定者数(3151人)と県内私立希望者(3019人)の間には123人の差がある。
これは、県内公立19人、県外(主に私立)43人、通信25人、未定35人など系列以外の高校を希望している者がいるためである。
◆県内私立希望者は9882人で前年より減少
第1回調査では県内私立高校希望者は9882人だった。1万158人だった。
これは前年同期の1万158人より276人少なく、一昨年同期に近い数字だ。
前述したように、内部進学を希望している者は3019人と推定されるので、公立中学校からの県内私立高校希望者は(9882人-3019人)で6863人ということになる。
◆学校別希望者数
五十音順。カッコ内は前年同期。
青学大系属浦和ルーテル学院 77(94)
秋草学園 107(128)
浦和学院 380(420)
浦和実業 382(434)
浦和麗明 150(197)
叡明 337(332)
大妻嵐山 98( 86)
大宮開成 329(302)
開智 418(464)
開智未来 107( 98)
春日部共栄 265(257)
川越東 164(202)
慶応志木 121(152)
国際学院 93(137)
埼玉栄 564(676)
埼玉平成 121(147)
栄北 176(216)
栄東 320(319)
狭山ヶ丘 128(146)
自由の森 143(126)
秀明 69( 63)
秀明英光 120(108)
淑徳与野 220(267)
城西川越 153(154)
正智深谷 184(180)
昌平 261(268)
城北埼玉 150(149)
西武文理 269(181)
西武台 247(248)
聖望学園 116(160)
東京成徳深谷 160(132)
東京農大三 296(264)
東邦音大附 19( 15)
獨協埼玉 272(254)
花咲徳栄 251(229)
東野 78( 73)
武南 249(197)
星野 415(366)
細田学園 150(151)
本庄第一 187(181)
本庄東 220(237)
武蔵越生 203(165)
武蔵野音大附 8( 6)
山村学園 194(258)
山村国際 170(168)
立教新座 286(302)
早大本庄 287(274)
公立同様に(希望者数÷募集人員)という計算をすれば、例年どおり現時点ではほとんどの学校が定員割れ状態である。
募集人員以上の希望者がいるのは、浦和ルーテル学院と立教新座の2校だけだ。
なお、今回調査は埼玉県公私立中学校在籍者の調査である点に注意しておこう。
私立高校の場合、県外からの希望者も多い。
例年、慶応志木・早大本庄は県外からの入学者が半数以上を占める。
立教新座も県外が多い。
西部地区の自由の森・東野、北部地区の本庄東・本庄第一、東部地区の昌平・花咲徳栄なども県外からの入学者が一定割合を占める。
◆現時点で希望者の多い学校
県内私立希望者は、慶応志木・早大本庄・立教新座などを除けば、内部進学者と単願希望者で構成されていると見ていい。
単純に希望者数で見た場合、当然ながら規模の大きな学校が上位に来るだろう。
【希望者数 多い順 20校】
埼玉栄 564
開智 418
星野 415
浦和実業 382
浦和学院 380
叡明 337
大宮開成 329
栄東 320
東京農大三 296
早大本庄 287
立教新座 286
獨協埼玉 272
西武文理 269
春日部共栄 265
昌平 261
花咲徳栄 251
武南 249
西武台 247
本庄東 220
武蔵越生 203
以上は募集人員を考慮せず単純に希望者数順並べてみたものだが、今度は募集人員を考慮し、現時点でそれに対し、どれくらいの希望者が集まっているかを割合で見てみる。
つまり定員充足率(仮)のようなものである。
◆現時点における定員充足率(仮)
以下は(今回希望者数÷募集人員)であるが、中高一貫校の場合、希望者の中に内部進学者も含まれる。
【定員充足率(仮)五十音順】
浦和ルーテル学院 102.7%
秋草学園 41.2%
浦和学院 47.5%
浦和実業 50.3%
浦和麗明 46.9%
叡明 64.8%
大妻嵐山 54.4%
大宮開成 65.8%
開智 77.4%
開智未来 53.5%
春日部共栄 53.0%
川越東 41.0%
慶応志木 48.4%
国際学院 38.8%
埼玉栄 78.3%
埼玉平成 34.6%
栄北 55.0%
栄東 80.0%
狭山ヶ丘 32.0%
自由の森 68.1%
秀明 57.5%
秀明英光 30.0%
淑徳与野 68.8%
城西川越 58.8%
正智深谷 51.1%
昌平 53.3%
城北埼玉 62.5%
西武文理 70.8%
西武台 49.4%
聖望学園 38.7%
東京成徳深谷45.7%
東京農大三 74.0%
東邦音大附 47.5%
獨協埼玉 85.0%
花咲徳栄 48.3%
東野 22.3%
武南 56.6%
星野 63.8%
細田学園 34.1%
本庄第一 43.5%
本庄東 55.0%
武蔵越生 53.4%
武蔵野音大附13.3%
山村学園 44.1%
山村国際 60.7%
立教新座 102.1%
早大本庄 89.7%
県内私立のほとんどが、単願と併願の両方で集めるという募集構造になっているが、今回調査では併願希望者の数は分からない。
よって上記は、今回希望者が全員受験し、全員合格し、全員入学したと仮定しての定員充足率である。
私立の場合、公立と異なり「希望者を意図的に抑える」という政策に出ることもある。
成功するかどうかは分からないが、そう考えることがある。
前年あるいは前前年の入学者が想定より多かった場合、教室数や教員数などを考え、今年の入学者は抑えなければならないのだ。
前年同期と比べ、希望者数が増えている学校も減っている学校もあるが、増減の理由は単純ではないのである。
まあ、塾の先生方はこのあたりの事情をよくお分かりだろう。
◆すでに状況は変化している
今回、10月1日現在の調査で見てきたわけだが、それから1か月が経過している。
私立の個別相談も10月から本格化しただろう。
今日現在で調査をしたら、公私立とも違った様相を見せるはずだ。
今月は多くの学校で、いや、ほとんどの学校で学校説明会や相談会が開かれる。
10月にも大きな状況変化は起きているが、第1回調査結果が出た後の11月の変化はさらに大きなものになるだろう。
受験生もそうだが、募集担当者にとってもいよいよ正念場である。
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