今年もまた「新語・流行語大賞」の候補が発表された。
 「現代用語の基礎知識」を発行する自由国民社が1984年に始めたものだ。
 その後、同社は「生涯学習のユーキャン」の関連会社となり、2004年以降「ユーキャン新語・流行語大賞」となっている。

 話題作りである。

 日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」、第一生命の「サラリーマン川柳」なども同種。
 時期が来ると新聞やテレビなどが必ず取り上げてくれる。
 なにせNHKでさえも報道するのであるから、これによる広告宣伝効果は計り知れない。
 これらに加え、ネットやSNSでも大きな話題となる。
 ここまで持ってきたユーキャン及び自由国民社の勝ち。

 ブログ読者の皆さんが、もしノミネートされた30語をご覧になったら、おそらく「聞いたことない」「初耳」「意味わかんない」となるだろう。
 半分も分からない人が続出するはずだ。
 中には3つか4つしか分からんという人も。
 だが、それでいいのだ。
 全部が知っている言葉だったら、「ふーん、そうだよね」で終わってしまい話題にならない。
 話題を取るには、多くの人が「それって何?」と思うような言葉を入れたほうがいいのだ。 

 中高生であれば、「新しい学校のリーダーズ/首振りダンス」、「ひき肉です/ちょんまげ小僧」、「推しの子/アイドル」は当然分かるだろう。芸人・とにかく明るい安村の「I’m wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)」あたりも知っているか。
 「新しい学校のリーダーズ」は、個人的に新しいリーダーシップを研究中なので名前だけはすぐ覚えた。
 「ひき肉です」は中学生ユーチューバー。高校生くらいになるとこんな馬鹿馬鹿しいことはしなくなるが、まだガキなので。
 「押しの子」は見ないが、YOASOBIの歌う「アイドル」は聴いている。

 野球好きなら「憧れるのをやめましょう」、「ペッパーミル・パフォーマンス/ラーズ・ヌートバー」アレ(A.R.E.)」「4年ぶり/声出し応援」は分かりそう。
 将棋好きなら「藤井八冠」、「観る将」といったところ。
 TV好きなら「別班/VIVANT(ヴィヴァン)」「スエコザサ」。

 あとは社会問題が中心だ。
 「X(エックス)」が旧Twitterであることは自身では使っていなくても分かりそう。
 「5類」は先生方も使った言葉。
 「生成AI」、「チャットGPT」は、今後さらに真剣に考えなければならない問題。
 「頂き女子」、「闇バイト」は教室では話題にしにくいかもしれないが、先生方も一応押えておきたい言葉だ。

 「NGリスト/ジャニーズ問題」「性加害」も分かる人が多いだろう
 単に「ジャニーズ問題」とせずに「NGリスト」と組み合わせたのは、旧ジャニーズ事務所への忖度だろう。相変わらずだ。

  その他。
 「新しい戦前」、「10円パン」、「エッフェル姉さん」「オーバーツーリズム」「OSO18/アーバンベア」」「蛙化現象」「地球沸騰化」「電動キックボード」「2024年問題/ライドシェア」、「Y2K」。

 一時期、政権批判的な言葉が並んだことがあったが、選考委員が代わったせいか近頃は少なく、今年は「エッフェル姉さん」のみ。
 「エッフェル姉さん」は自民党の松川るい参議院議員がエッフェル塔のポーズで写真を撮り炎上したことから。個人的には「松川るい14世」とか「松川るい16世」と呼べばよかったと思っている。

 「10円パン」は10円玉の形をしているだけで、500円くらいするそうだ。
 韓国ネタも少しは入れておこうということか。

 「OSO18/アーバンベア」は市街地に出没する都市型(アーバン)の熊のことを言うらしい。
 オシャレな言葉より、凶暴性を強調する言葉の方がいいような気がするが。

 「地球沸騰化」は地球温暖化に取って代わることができるだろうか。
 11月というのに夏日が続く日々である。