来週2月12日に講演を頼まれているのだが、案内チラシを見たら会場「正和工業にじいろホール」となっている。
 えっ、それどこよ?
 と思ったら、春日部市民会館ではないか。
 良かった。だったら知ってる。
 最近は西口の「ふれあいキューブ」に押され気味だが、昔はずいぶんお世話になった。

 これはネーミングライツ契約によるものだ。
 施設は引き続き市が管理運営する春日部市民文化会館であるが、愛称として「正和(しょうわ)工業にじいろ」を用いる期限付き契約を交わした。
 正和工業としては知名度向上やイメージアップにつながる。
 春日部市としては維持管理費の不足を補うことができる。
 ただ、私もそうだったが、「正和工業」だと施設の場所がどこだか分からなくなるという不便はある。
 仮に「クレヨンしんちゃんホール」とでもしてくれれば春日部であることは明白なのだが、そういう欠点もある。

 ネーミングライツは野球場やサッカースタジアムではおなじみだ。
 埼玉県内でも「NACK5スタジアム大宮」などの例がある。
 さいたま市なら「サイデン化学アリーナ」。

 最近ちょと話題になったのは東京芸術大学で、古くなった「奉楽堂」の改修費を捻出するため、そのネーミングライツを年額6000万円で売りに出した。
 他にもいくつか例があるが、公共施設と異なり利用者が学生と教職員に限られる大学施設の命名権は、PR効果が少ないためなかなか買い手がつかないようだ。

 大学ですらこの状況であるから、それよりさらに規模が小さい高校だとネーミングライツを売り出すのはちょっと無理か。

 ネーミングライツは施設だけではなく、イベントなどにも応用できる。
 プロ野球なら「マイナビオールスターゲーム」のように。

 来場者が5万人を数える「彩の国進学フェア」くらいのレベルになると、ビジネスとして成立する可能性はありそうだ。
 ただし、塾・予備校やその他学校・教育関係だと色が付きすぎてまずい。
 しまむらとかヤオコーなら問題ない。
 ガリガリ君の赤城乳業もオーケイ。
 サイゼリアも日高屋も埼玉の会社。
 などと言っていたらきりがない。

 まあ、難しいとは思うが、ネーミングライツを売って維持管理費や改修費等にあてられないかという発想くらいはあってもいい。