今週、3月6日に埼玉県公立高校入試の合格発表がある。
 お役所用語で言えば、「入学許可候補者」の発表である。
 4月、入学式で校長が「入学を許可する」と宣言するまでは、あくまでも候補者なのである。

 埼玉県公立入試は今年から全校ネット出願方式に移行した。
 その流れで、合否についてもネット上の合否照会システムにより受験生自身が確認する。
 これにより学校掲示がなくなった。

 ネットでの合格者番号発表が行われるようになってからも学校掲示は行われていた。
 ネットが繋がりにくいので見に来たという人や、記念に写真を撮りたいという人もいて、結構な賑わいを見せていた。
 だが、今年から校内掲示はしないのでその風景が見られなくなる。

 さあ、困った。
 というのは新聞やテレビだ。
 悲喜こもごもの合格発表風景は季節の風物詩としてぜひ欲しい絵柄だが、今年からこれがない。
 新聞は合格発表があったことを伝えるだろうが文字だけの記事になる。
 「喜び合う親子」みたいな写真が撮れないのはやや寂しい。

 しかし、これも時代の流れというものだ。
 昔過ぎて参考にもならないが、我々の世代はご丁寧に氏名まで発表していたのだ。
 新聞にも氏名が載った。
 なにせ「個人情報」なんて言葉がない時代だ。

 合格者番号の校内掲示に関して言えば、私立の方はすでに無い学校がほとんどだ。
 それで誰も困らない。
 先生の方もこれで入試業務が一つ減る。