昨日の埼玉栄の塾説。
 運動部ばかりと思われがちな学校だが、最近こんな部活もできたと披露したのが「総合型探究部」と「キャリアイノベーション同好会」だ。
 総合型探究部はボランティア活動がメインでこども食堂を支援したり被災地に支援物資を届けたりする。
 面白いのはキャリアイノベーション同好会で、こちらは起業を目指すらしい。

 最近の学校訪問では、この起業という言葉を目にし耳にすることが多い。
 アントレプレナー、あるいはアントレプレナーシップ。
 横文字にすぐ飛びつく文部科学省や埼玉県教委もさまざまなイベントやプログラムを展開している。

 ここ数日の具体的事例を挙げてみよう。

◆西武文理は「アントレプレナー起業」
 先週、西武文理高校に取材に行った。
 昨年から、授業や部活とは別に、「ガチ・プロジェクト」という自由参加の課外活動を展開している。十分入学動機になりうるのではないかと思われる活動で、学校も正しくガチ(本気)で取り組んでいる。
 14あるプロジェクトのうちの一つが「アントレプレナー起業」で、将来的には学校内に生徒の手で会社(企業)やNPO法人を立ち上げることを目標にしている。
 ペドロ・マルケス校長率いるいまの西武文理なら来年あたり「会社設立しました」の報告が聞かれるかもしれない。

◆県立小川は出資者説明会
 一昨日のことだ。
 県立小川高校からメールが入った。
 「高校生模擬ビジネス出資者(IR)説明会」を開催するので取材に来ないかという誘いだ。
 いや、取材に来いとは書いてなかった。
 こういうイベントがあるという案内だが、でも結局は是非来てくれということだ。分かった。

 同校はかなり前から「おがわ学」に取り組んでいる。
 「おがわ学」はかつて文科省の指定を受けた学習プロジェクトで、指定期間終了後もいわば小川高校版「総合的な探究の時間」といった形で継続している。
 出資者を募り、商品開発・販売を行い、利益を上げる。アントレプレナーや起業という言葉は使っていないが、実際昨年度も利益を上げ出資者に還元(配当)しているらしい。つまり、やっているのは企業活動そのもの。

 なお、実際に取材したわけではないが、来春開校の八潮南高校改め八潮フロンティア高校では「県内初 高校生による株式会社設立」を謳っている。

 以上は、ここ数日の例である。
 僅かな期間でこれだけ接するということは、まだまだたくさんあるということだ。
 高校における起業教育や起業そのもの、あるいはアントレプレナーシップに今後も注目して行こうと思う。