今日は埼玉栄中学高校の塾説明会に行ってきた。
 この4月、町田前校長のあとを受けて勅使河原貞先生が校長に就任された。

 参加者は約250名(申込みベースで)。
 最近、小さくまとまった公立塾説にばかり参加してきたので、この人数には圧倒される。
 中身は、校長挨拶、中学説明、高校説明の三本立て。
 公立塾説のように「まず授業見学からどうぞ」というのはない。 
 塾の先生方の最大の興味は中学も高校も「入試」にあるので、授業見学は今日のプログラムにはない。

◆α選抜コースを新設
 来年度、最上位コースとして「α(アルファ)選抜コース」を新設する。
 現在の「αコース」、「Sコース」、「特進コース」のその上に、学業奨学生(いわゆる特待生)だけで編成する「α選抜コース」を作るわけである。
 東大をはじめとする最難関大学への進学をめざす。
 今年の入学生については入学後に「α選抜クラス」を編成して、その教育内容を先行実施しており、来年度については「α選抜コース」として募集を行う。

 まだ直接取材していないので詳しいことは書けないが、星野高校も来年度、「医専コース―医学部医学科進学特化専門コース―」、「GLOBAL FRONTIER COURSE―グローバルフロンティアコース―」という2つの新コースをスタートする。

◆私立はなぜ新コースを作らなければならないのか
 私立高校にとって、コース新設は募集強化のための必須政策である。
 すでに盤石の地位を確立している学校は別だが、そうではない私立は、常に動いていないと誰からも注目されないから、せめてコース名称だけでも変えようとするわけである。

 埼玉栄は募集に関してはまったく不安がない学校である。
 知名度抜群、部活は強く、進学もまずまず、駅近で施設は申し分ない。
 しかし、だからと言って、止まっていたらダメなのだ。

 企業だって、新商品・新サービスを出し続けるだろう。
 ヒット商品・サービスが出てもすぐに他社に真似られ追いつかれる。
 だから成長を止めないために新商品・新サービスを出し続ける。
 それと同じ。
 とまでは言わないが、それと似ている。

 新コースを作るタイミングは、本来なら募集に陰りが見え始める前である。
 受験生や保護者から見て「ちょっと人気が落ちているんじゃない?」と言われるようでは病状はかなり悪化している。
 手を打つなら、外から見た場合は特に問題なさそうに見えるが、内部的には生徒や保護者の気質の変化などを感じるようになったタイミングだ。
 企業的に言えば、まだ既存の商品が売れている段階で新商品を出す感じ。売れなくなってからでは遅い。
 
 5年も10年も同じコース、同じコンセプトで募集を続けている学校は、「特に問題ない」ではなく、問題の無い今こそが新コース、新コンセプトの立ち上げ時なのである。